EP1 part1 はじまりの事件
初投稿です。暖かい目で見てください!
「まずい!このままだと、ホントに課題終わんねぇ!」
学校の前の坂を、高身長の1人の少年が学校指定のバックを揺らして走る。バックには(3年1組 氷室 柊)と書かれている。
「氷室くん、塾の課題はもう終わったの?」
と、同じ塾に通う真結さんに言われ、彼は日直の仕事を真結さんに任せて、塾の課題をやるべく、全力疾走で帰宅しているところだった。謎の2つの影を背後に。
そして、その影は生徒達を見守っていた。
「彼らで大丈夫ですかね?」
と、やや低めの女性の声がもう1つの影に語りかけた。
「大丈夫でしょう。」
続けて、
「どんな人間を送ろうとも、彼らをどう使うかは人間次第。」
「わたしたちの仕事は救世主を送り込むだけです。」
と、低い男性の声が返答した。
「では、転移を行ってさっさと帰りましょう。」
「一応仕事ですので。もう少し真面目に…」
「ハイハイ。」
仕方のない様子で女性の声は答えた。
「謝ります。お説教なんかされたくないのでね。」
「範囲はあの建物を中心に半径100メートル程。」
女が謝る意思を見せたものの、男は気にせず準備に取りかかる。
「見つけたデータから年齢は13~17歳でいいですかね?」
「ちょっ、ちょっと!話を振ったのはそっちでしょ!」
「では、いきます。」
女の話を完全に遮った男は空に大きな魔法陣を展開した。
それは、学校と体育館、グラウンドやプールを丸々多い被せれるようなものだった。そして次の瞬間、
魔法陣の真下を閃光が走った……
見渡すと、目の前から友達が消え、慌てた様子の学生が見える。
「これで完了ですかね。」
男はそんな学生らを見下ろし、謎のポータルの様なものに消えていった。
「はぁ…久々に休みくらい貰ってもいいですよね。」
続けて女も消えていった。
魔法に巻き込まれなかった、氷室 柊を背後に。
時計は7時を回っていた。氷室は塾を終え、帰るところだった。そんな塾の間、睡魔と戦った彼の前に
「…ーん!…ろくーん!氷室くーん!」
1人の女の子が走ってきた。真結さんだ。
「あ!真結さん。ごめん、日直の仕事任せちゃって…」
(何を焦っているんだ?)
と謝りつつ氷室が考えていると。
「そんなことはどーでもいいの!それよりニュース見た?」
家から走ってきたのか、書道部の彼女からは考えられないほど、顔を真っ赤にし、乱れた呼吸の彼女が話しかけてきた
「ニュース?課題が忙しくて全く見てないけど…何かあった?」
少し黙って、呼吸を落ち着かせた真結が口を開く
「うちの学校の生徒が180人行方不明だって…」
彼はその瞬間、実はまだ塾で、睡魔に負けて夢でも見ているのではないかと思った。目の前にいる友人が急に、皆が行方不明に!なんて言い出したら誰だって何を言っているんだとなるだろう。
「私は無事だったんだけど、他の皆はその場で急に…」
少し泣き出しそうになりながらも真結は話す。
「塾に行けば、誰か仲のいい人がいるかもって思ってそれで…」
彼は唖然としたまま真結の話を聞いていた。
数秒たって彼は正気を取り戻し、
「とりあえず、情報は家に帰ってニュースを見るよ
それに、外にいるのは危険だ。お互い家に帰ろう」
と、柊は真結に帰宅を促した。
帰宅後、柊は靴を脱ぎ捨てテレビに直行した。
彼の両親の様子からも、おそらく真結の言うことは本当だろう。「嘘…だろ…」
彼は言葉を失った。テレビの前にただ突っ立ってることしかできなかった。
『警察の捜査によりますと、現時点での行方不明者は約180人』
『全員が本島中学校の生徒とのことで…』
『地域の人の話によると、目の前で急に人が消えたなど…』
普段ならバラエティ番組をやっている時間のはずだが
番組を変えても変えても行方不明事件が取り上げられている。
ニュースキャスターの声は、どんどん柊を追い詰めていった。
「何が起こってんだよ………」
と、彼は事件の真相を聴き、唖然とした。
はずだった。
だが、おかしなことに彼は少し事件について興味が沸いてきた。
まるで、事件の方から手招きを受けるように。
好奇心旺盛だが、行動する時は慎重になるいつもの彼はもういない。今はただ好奇心の思うがままに、事件について知りたいと思う彼がそこにはいた。
優柔不断で迷うことのある彼はもういない。今はただ事件の核心を知るために、迷うことなく謎の事件を追及しようとする彼がそこにはいた。
(まぁ警察もいるし、大丈夫だろう…)
小雨が降っていた。彼は傘をさして夜の住宅地を歩く。
家族のみならず、多くの家が寝静まった夜10時の住宅地を。
家から学校は歩いて20分程で着く。警察に見つかると面倒くさいことになるので、学校近くの木の陰から様子を見つめていた。
見た感じ特に変わった様子は無いように見えた。いつも通りの学校が、パトカーのライトで赤く染まっている。
彼なりに今回の事件を考えてみても、やはり不思議なことばかりであるそうで。
(人がその場で急に消えるなんて、それに一気に100人以上…)
(心霊現象か?それとも大型UFOなんてのも…人為的なことでは無さそうだな)
と、小学生の頃はまっていたオカルト目線から、人と話す時以上の笑顔で事件について考えていたその瞬間、
「君でいいか…」
と、低い声の男性に声をかけられた。
「誰……!?」
振り向いた瞬間、柊は目線の高さに手を指し伸ばされた。
「ふふふ…では」
と、低い声の男が言うと、柊の視線がフラッシュライトを浴びたように、一面を光に覆われた。
そして柊の立っていた場所には、彼が持っていた傘だけが残されていた。
「これで奴からの頼みを含めて全部ですね。」
男は低い声で言った。
「仕事は終わったと思ってたのに。完全に忘れてましたねぇ」
「魔人の件」
そういうと彼は夕方の時のように、ポータルに入り、消えていった。
どうも皆さんこんにちは!サトウバニラです。
私の初投稿作品いかがでしたか?
まず始めに数ある作品の中から、私の作品を読んでくださり
ありがとうございました!
まだまだ文を書く力、表現力など、未熟な部分がたくさんあると思います。
それでもダイジョブって人は、是非ともこれからの製作活動応援してくださると大変励みになります!
パートごとの話はそんなに長くないのですが、作品自体はかなり長めの物を作ろうかな~なんて考えてたり。
改めて、今回は皆様の大切なお時間を私の小説にあててくださり、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!
ご感想、良い点悪い点、どんどんお書きください!
実は、設定やストーリーに関してはかなり先までできている模様
2022年11月26日 サトウバニラ