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DOLL's SMOKE  作者: 蜻蛉織
7/14

ep.06 終戦


「やぁ、茜」

 何も無い、真っ白な空間が目の前に広がる。そして、その空間に居るのは私と《私》だ。《私》は燃えるような赤い髪を携えていて、薄い赤色の瞳で私を見て声をかけてきた。

 ────もしかして、

「アカ、リ───?」

「ピンポーン!大正解だよ、茜」

 両手を広げ、何故か嬉しそうに振る舞うアカリ。何がそこまで嬉しいのか、笑みを顔に浮かべている。

「────まだ、悩んでるんだ?」

 唐突に、アカリの顔は違う笑顔へと変わった。私の心を覗き観るように、ずっと奥を見つめるように、私の顔を見る。

「そっ、それよりっ、ここはどこなの!?」

 その顔から目を離したくて叫ぶように言葉を発する。そんな私とは正反対に、アカリは落ち着いた声だった。

「キミの夢の中さ。───いや、キミとボクの夢って言うのが正しいのかもね」

「え───?」

 私とアカリの夢?

 変なこと言わないでよ。それじゃあまるで、ホントに私と貴女が同一人物みたいじゃない。

「さ、話題を戻そうか。茜、キミはまだ、人を殺すのに悩みを持ってるようじゃないか」

 言い当てられ、言葉に詰まる。どうして、こうも私のことを言い当てるのだろうか。

「───あ、当たり前でしょ。テロリストとは言え、同じ人間なんだよ?」

「あぁ、そうだね。でも、それは無駄な悩みだよ」

 私に歩み寄り、肩にポンと手を置くアカリに、ピクリと身体が反応してしまう。

 そしてアカリは顔を近づけてきて、まるで悪魔の囁きのように私の耳元で呟いた。

「戦場に居るのはキミを苦しめる奴等だ。そいつらを殺すのに躊躇なんて要らないだろう?」

「───っ!そっ、そんな身勝手なことで殺せって言うの!?」

 バッ、と焦るように腕を振り上げ、アカリの腕を振り払う。それを見てアカリの口の端がまたつり上がる。

「んひっ。茜、悩むってことは相対する感情があるってことだ。────ただ殺したい、殺したくない。────この2つの感情のぶつかり合い、その逃げ道がキミの言う『皆のために』殺さなきゃいけない、だ」

「違うっ!!」

 アカリの言葉への全力の否定。私はただ人を殺したい、なんて野蛮な思いは持ってない。───持っていない筈だ。

「茜、楽な方を選びなよ」

「私はっ!私はそんな野性なんて持ってない!理由なく殺すなんて、そんなこと絶対にしない!」

「ただ殺したい。それも立派な理由じゃないか。生き物なんて本来は野性の塊なんだから。────大体、理由なんて言葉は、人間が勝手に作ったクダラナイ壁だよ」

 

 ───────っ。

 

 何を言っても、言い返される。否定を繰り返しても、さらにそれを否定してくる。

 けれど、アカリは笑ったまま目を閉じ、言った。

「ま、分かってるさ。キミがそういう人だってことは」

 先程とは違う感じの笑顔だ。嫌みな笑顔ではなく、ごく普通の笑顔をしていて、何故か目が離せない。。

 その笑顔のまま、アカリは顔を私の目の前へ寄せて────。

「────だから、ボクが代わってあげる」

 そう言うとアカリの姿は徐々に消え始めた。

「────っ!待って!」


 

 ▲───────▼

 

「待って!」

 伸ばしている手が見える。その先にあるのは真っ白な色ではなく、二段ベッドの上段の骨組み。その光景から夢から覚めたことを理解する。

「────ハッ、ハァ───ハァ」

 変な汗が額に流れる。息切れも動悸も激しく、私は胸に手を置いて自分を落ち着かせようとする。

 アカリが夢に出てきたのは、アカリの姿を見て話したのは、初めてだった。最後の笑顔とあの言葉が不思議と頭にこびりついて離れない。

 

 ────ボクが代わってあげる。

 

 遠回しに、ハザードを使え。と言っているようだった。よっぽど、表に出てきたいのだろうか。

 コロコロと変わるアカリの顔。舐め回すように心を揺さぶるアカリの言葉。─────アカリの本心が読めない。やはり、ただ単に人を殺したいだけなのか。

 

「茜?夜中にどうしたの?」

 上から声が聞こえて、顔を上へ向けると、黒葉が上のベッドから顔を覗かせていた。普段は長い前髪のせいで見えない額が見えて少し新鮮で。

「ごめん黒葉、起こしちゃったね。ちょっと嫌な夢見ちゃったけど、もう大丈夫だから」

「なら良いけど───」

 そう返事をした後、黒葉は思い付いた、みたいな顔をして

「────あ、一緒に寝てあげよっか?」

 って笑顔で言ってきた。

 普段はほぼ無表情か、眉毛をハの字にして人を心配するような顔しかしないから、この黒葉はレアだ。


 まるで冗談にも聞こえる黒葉の発言だったけど、私の心のどこかが安らぎみたいなモノを求めていたのか、少しすがりたい気持ちがあった。

「ん~、じゃあお願いしようかなぁ」

 ────すがりたい気持ちが勝っちゃった。

 

 

「────なんだか、不思議な気分」

「考えてみれば、こうやって一緒に寝るの初めてだもんね」

 1人用のベッドだから、抱き合うような形で寝転がる。人肌の温もりを感じてるお陰か、さっきより落ち着いていられる。

 

 ────顔の近くで黒葉の小さな寝息と声が聞こえる。黒葉って、こんなに落ち着く声だったんだ。

 

「ねぇ黒葉。────最後の作戦、絶対に帰ってこようね」

 目を瞑り、黒葉の方を見ずに私は言う。

 もう寝たのか、黒葉からの返事はない。ほぼ独り言のような感覚で言ったからそれはそれで良い。

 

 

 さぁ、今日が最後だ─────。

 

 

 ***

 

 

 ザッ、と砂を踏んでいると実感するような音が鳴る。この砂の音を聞くのも、今日で終わりにするんだ。

 

「今日で最後です。行きましょう、皆さん」

 

 

 ───────

 

 

 刃と刃がぶつかり、顔の近くで火花が散る。やっとのことで敵の基地の前まで来たのに、足止めを強いられている。

「────くっ!」

 テロリストの人数が多い。

 さすがにハザードを最初からフルで使えないため今はセーブモードで凌いでいる状態であり、さらに相手の本拠地の手前であるが故にガードが厚い。

 

「茜さん!3時方向より敵部隊、中隊規模です!」

 

 ─────倒しても倒しても、次々と現れるテロリストに嫌気が差す。こんなんじゃ、ハザードが───。

「3時方向、退いてください!射ちます!」

 カードホルダーからカードを取り出し、スリットを出したスキャナーに挿入する。

 

 〔Blaster---loading────〕

 

 この大型銃なら多少なりとも戦力は削れる。

「掃射!」

 開けられた道をなぞるように、銃口より放たれた高圧エネルギーが通っていく。

 遠くの方でドォッ、と音が聞こえると、ブラスターから手を離し、すぐさま戦闘に戻る。

「多少は削れた筈ですが、警戒は怠らないで!」

「了解!」

 

 チラリと射った方向に目をやると人影を数人確認できた。やっぱり全員は無理があったか。

 ─────これじゃ、近付くことが出来ない。

 

 瞬間、ザザッと耳にノイズ音が飛び込んできた。通信が入ってきた合図だ。

「こちら104部隊、茜です!」

─『茜、状況はどんな感じだい。手短に言ってくれ』─

 ───教官の声。

 今回は前線に5人全員の人型人形を置いているため、総指揮に参加しているようだ。

「敵の守備が厚いのでっ、───基地に近付けない状況───っ!───です」

 数秒、何かを考える時間を要した後に、教官の声が来た。

─『分かった。敵の基地には葵と黒葉に行ってもらおう。君は片付き次第、合流してくれ』─

「了解です」

 

 基地内を攻めるのなら黒葉よりも紫野の方が適任の筈だ。なのにどうして黒葉に任せる?────通信が不可能な状況に居るの?

「茜さん!今度は10時方向からです!」

「────そんな!」

 いくらなんでも多すぎる。ブラスターはもう既に2枚とも使ってしまっていて、戦力を今すぐ確実に削れる手段は無いに等しい。

 

 ────あと使えるカードは何が残っている?何枚ある?ブラスターのチャージにはあと20分程度。私が自由に使いこなせる武器類はほぼ壊れた。ハンドガンなんて戦力の足しにもならない。頼みの綱になるのは、カード無しに出せるハザードドライバとサブドライバだけだ。

 

 考え続けている内に3時、10時方向のテロリストが私達のところへ集まってきてしまった。とても今の状況では打破できない。

「─────せ、セーブモード、解除」

 少し躊躇ったが、今の状況を考えればこれが最善だった。早く終わらせれば、葵達と合流することができるし、アカリを出さないで済む。

 フシュッ、という音と共にアクセラレータが前部へ動く。その刹那、

 

「───────っ!?」

 

 ─────あの痛みだった。

「あああっ、───くっ、ふぅ──っ!」

 どうしてっ?まだ、使用可能時間は残ってる筈じゃ───。

 あの時と同じように砂地に踞る。2回目だからと言って、少し余裕があるなんてことは無かった。

「茜さん!?どうしたんですか!?」

 あの時と同じく、私には近くに居る隊員の声しか聞こえない。

 

『当たり前だろう?』

 

 ────!アカリ?

 頭のなかに響くこの声は、間違いなくアカリの声だった。声色は私と同じだが、独特の口調がそれを表している。

『セーブモードの時とフルモードの時じゃ、身体に来る負担が同じな訳ないじゃないか。それに、既にキミはセーブモードとは言え、ハザードを15分っていう本来の倍近くの時間使ってるんだから、こうなるのは当然さ』

「────ひっ───くうっ、ぎっ、いぃ」

 激しくなる頭痛は、やはり抑えられない。歯を食い縛っても、だらしなく唾液が口から漏れるだけだ。

 武器を持った腕を振り上げるテロリストの影が地面にぼんやりと映ると同時に、アカリが言った。

『さぁ、ボクと代わろっか、茜』

 その言葉の後、私の意識はプツリと切れた。

 

 *───────*

 

「ああ、久しぶりの外だね」

 目を覚まして最初に聞いたアカリの言葉は、喜びに満ちていた。

 目には、左脇腹を押さえて、血に濡れているテロリストの姿が映っている。私の意識が途切れる前に見た、あの影の人だろうか。

「いきなり射ってゴメンよ。でも、切りかかってきたキミが悪いんだ」

 私が意識を戻す前に出したのか、手にはハンドガンが握られていた。

「まったく、急に襲ってくるから焦って全部の弾を使っちゃったじゃないか。────仕方がない」

 アカリは少し残念そうな顔をして言うと、握っていたハンドガンを捨て、スキャナーのスリットを開き、カードを2枚入れた。


 〔Gun---introduce--Barred---loading────〕

 

 弾が既に入っているハンドガンが、新たに出現する。それを見ながら、アカリは倒れているテロリストに歩み寄りながら、他人から見ると独り言にしか聞こえないことを言った。

「茜、キミはさっき、ハンドガンは何の足しにもならないって心の中で言ってたけど、ちゃんと使えば素晴らしい武器になるんだ」

 テロリストの上に覆い被さるように跨がり、無理矢理開かせた口の中へ銃口を捻り込んだ。

「んひっ。例えば、こういう風に嫌いな相手の苦しむ顔を間近で見られるとか、良いことがあるんだ」

 嗤いとも言える声をあげた後に、ドンッ、と一発だけ弾を射つ音が響いた。

 近くで鳴っていた戦闘の音は止み、皆の視線が集まっているのを意識の中でも感じることができる。アカリは、のそりと立ち上がりながら横目で皆の方を見て、口の端をつり上げる。

「お前ら、行くぞっ!」

 テロリストの1人が声をあげ、それに釣られるように私の居る方へと走ってくる。

「アハッ。そう来なきゃ面白くないよね」

 その言葉を合図に、右手にハザードドライバが現れる。

 ────まただ。また、何も言わずにハザードドライバを出した。一体どういうことなのか、未だに分からない。

「死ねやぁ!」

 太い大声を吐き出しながら、斧を振り上げるテロリストを見て、アカリはドライバを両手で構える。

「そう簡単には死ねないんだなぁ。んひひっ」

 呟くように言葉を発して、腕に力を込める。

「よいしょっとぉ!」

 目を大きく見開き、歯を剥き出しに嗤いながら相手の腹部にドライバの刃を思い切り食い込ませる。それに構わず振り続け、2人、3人と巻き込んでいく。

「────あ、茜さん?」

 隊員の困惑している声が私に届く。アカリが味方の前で出てくるのは初めてだから当然だろう。

 そんな声も無視してアカリはドライバを振り払う。メキャッ、と骨の砕ける音を鳴らし、血を傷口と口から流しながら飛んでいくテロリストは、もう生きてはいない。

「────ふぅ」

 大量の血が付着した刃を地面に置き、一息つくアカリの髪が大きく揺れる。

 

「すごいですね!茜さん!」

 後ろから唐突に1人の若い男性の隊員が声をかけてきた。

「よく分かりませんけど、バンバンやっちゃってくださいよ!」

 アカリの姿を見て興奮したのか、普段は言わないような口調で言葉を発する隊員。それをアカリが見るや否や、顔に向かって手を伸ばし、力一杯に掴む。隊員は、「へ?」と情けない声をあげるしか出来ない。

 

「キミもか────」

 ボソリと呟くアカリの言葉の意味は理解できなかった。キミも、というのは、どういう意味を持つのだろうか。

「1つ言っておこう。ボクは茜じゃなくて、アカリだ」

「ああっ、ぎっぅっ」

 突然、頭を掴まれた隊員がうめき声を出し始めた。敵味方関係なく、動きを止めてアカリの行動を呆然と見ている。

『ちょっと!な、何やってるのよアカリ!』

「黙ってくれよ茜。コイツもボクの敵だったみたいだ」

 アカリの目は何故か怒りに満ちていて、先程までの見下すような笑顔は見る影もない。

 アカリは目を見開いたかと思いきや、頭を掴んでいる腕を地面に思い切り振り下ろした。掴んだ頭は地面にめり込み、顔も潰れ、鼻や口から血が流れる。顔から離した手からもポタポタと垂れた。

 

 静かな戦場に風が吹く音がな響く。一瞬の間だけ、誰も口を開かなかった。

「なっ、何やってるんですか茜さん!」

 その言葉に耳を傾けることも無く、アカリは息をして

「見られちゃったね。じゃあ、皆サヨナラだ」

 

 

 ***



 突如、サイレンの音が戦場全体を包み込む。

 このサイレンは確か─────。

 

─『テロリストに告ぐ。君達の前線は崩壊、本部を完全に包囲している。投降しろ』─

 

 戦闘終了の合図だ。葵と黒葉達が上手く作戦を遂行したのだろう。

 意識の中に居るからか、近くで鳴っている筈のサイレンが遠くから鳴っているように聞こえてしまう。───まだ私は、身体の自由を取り戻していなかった。

 

「あはははっ!もっと頑張ってよ!そんなんじゃ皆死んじゃうよ!?あははっ!」

 依然として、アカリは暴れていた。もう敵味方なんて関係無い。理由は分からないけど、誰に対しても容赦なく刃を振り下ろす。

『アカリ!もう、もう終わったの!お願いだから止めて!!』

 ゴキッ、と鈍い音が、掴んでいる首から鳴った。私の声はもう、アカリには届いてない。

「さぁ、キミが最後の1人だね」

 アカリの向ける視線の先には、

『滝本、少佐────』

 初めて出会ったときから変わらず私と共に戦場を駆け抜けた彼が最後の標的だった。

「キミは確か、茜とずっと居る少佐クンじゃないか」

「どういうことですか、茜さん!こんなことして────」

 恐る恐る後退りながら、怒りと恐怖が混ざった声で問いを投げる。持っていた銃の弾も全て使い果たし、アカリに立ち向かう術は残っていないに等しい状態だ。

「────キミは、もしボクがここで見逃したら、上に報告するのかい?」

「あっ、当たり前です!貴女のこの行動は、決して許されるものじゃない!」

「────そうかい」

 と言うと、アカリは滝本少佐を蹴り倒し、歪んだ笑顔を向けた後、何かを見せびらかすように手に持って揺らす。

「これ、なぁ~んだっ?」

 アカリが手に持っているのは斧のウェポンカードだった。

 

『────やめて』

 声が震える。

 これから起こるであろう出来事を想像すると、ちゃんとした声を出すことが出来ない。

 

〔Ax---loading────〕

 

『やめてよ!』

 哀願するような私の声を聞いてくれる様子も無く、アカリは機械の斧を持った手を上に上げる。

 滝本少佐の顔は涙や唾液に濡れ、短い呼吸を繰り返す。見るに耐えない状況に頭の痛くなる感覚が増し、私を苦しめる。

 

「サヨナラだ、少佐クン」

 

『────やめてぇぇぇぇっ!』

 

 口を開けた滝本少佐は、叫び声を出すことは無かった。声を出す前にアカリが首もとを断ったのだ。

 赤い液体がじわじわと地面に広がっていく。時々、切断部から噴き出す度に、ピクッと身体が揺れた。

「これで、誰も────」

 ニチャ、と斧を取る際に嫌な音が耳に届いた。

 目の前で起きた惨状を、私は止めることが出来なかった。罪悪感が溢れて止まない。

 目の前の出来事と、湧き上がる感情を受け止めることが出来なかったのか、私の意識は再び途切れた。

 

 

 ▲▼

 


「───!──い、───か!?」

 微睡みの中に何かが割って入ろうとする。ゆっくりと、光が私の目には入り込んできて、

「おい!生きてるか!?」

 無精髭を生やした男性軍人が私の体を揺らしていた。

「────い、生きて、ます」

 意識を取り戻したばかりで、上手く声が出せない。私のその声を聞いた男性は、安心したような顔を私に見せて、こう言った。

「よく、こんな状況で生き残ってた。皆、死んでるから手遅れかと思ったんだが」

 

 ─────思い出した。

 

 こうしてはいられない、と言うように、私は上半身を起こす。そして、周りを見渡す。

 転がる身体が私の視界を埋め尽くす。テロリストと政府軍の身体と血が混じり、異様な光景と臭いが私を包み込んだ。

 急に吐き気に襲われ、吐き出す。腹を押さえて、何回も何回も吐瀉物で地面を汚した。最後の方は胃の中の物は出ず、胃液だけだった。

 

「うっ───ハァッ、ぅえっ、ハァ」

「辛かったんだな。だが、俺達の勝利だ」

 男性はきっと、私を落ち着かせようとその言葉を言ったのだろう。───でも、落ち着くことなんて出来ない。何故ならこの光景は、私がこの手で造ったのだから。

 

 

 決して許されない行動を起こした最後の作戦は、政府軍の勝利で終わりを告げた。



─to be continued─

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