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1.ファンタジー宇宙グリッティの惑星ユーヴァにて

・2022年10月8日

とりあえずあの世界で買った自分の過去の日記を第一項目から読み始める。

どこらへんから盗用されたのかきちんと確認しないととんでもない情報が書かれている場合があるからな。

ここなら邪魔も入るまい。


=========

・新ユーヴァ歴10萬とんで5年、荻の月第三火の日

今日も今日とて野宿なり。

朝から晩まで湧いて出てくる醜性ゴブリンを蹴散らす羽目になりすっかり足が遅くなってしまった。

焚き火を焚いたはいいが火山の近くの森という事を忘れていてヘルハウンド5体に囲まれる失態を犯す。

適当に水を撒いたら逃げた。

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イキナリこれか。

うろ覚えだがあの日ゴブリンが大量に出現したのはダンジョンから入手したモンスター湧き石をぼとぼと落としていたのが原因だったはずだ。

日記に書き忘れていたのは誤算だった。

わざとじゃないと思いたいがいまさら確証はない。


=========

同時刻の近隣住民の証言

「いやーあんときゃもうダメかと思ったでんす。

 朝の畑仕事をしてたら森のほうから無限とも思える数のゴブリンが下卑た笑みを浮かべながら湧いてきてわちき達の村もこれまでかと。

 そしたら森の奥からごっつい血柱が立ちましてね、目の前にいたゴブリン達もびっくり振り返ったでんすよ。

 んだどもその瞬間にそっちらも首がすぱすぱすぱーっと行きましてね、もう一日中森から絶叫と断末魔が響き渡っててわちきらも何事かとガクブルしてたでんす。

 まあ畑仕事はきっちりやりましたがね。

 夕暮れの頃にはもう血なのか太陽なのかわからんくらい森が赤黒く染まってて。

 ようやくぴたりと止んだと思ったら今度は森の方から怒涛の音が聞こえましてね、誰かがカンカンカンカン警鐘を鳴らしてたんで急いで屋根に上がったでんすよ。

 まるで昼間の血を洗い流すかのような豪流が森全体をゆっくり移動していたでんす。

 なんかキャンキャン流される犬のような鳴き声も聞こえたでんすが、この森は別名死の森と呼ばれてて魔物以外は近寄らないんで気のせいってことで片づけたでんす。

 翌朝にはいつもどおりの森になってたんで軽い報告書だけ上にあげてわちきらはいつもどおりの生活に戻りましたでんす。

 ありゃ森の神様でも怒らせたでんすかね?」

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なんだこの証言。

こんな方言あったか?地方の方に怒られそうな気がする。

それよりも人のモンスター対策をあたかも天変地異のように表現するのはやめて欲しい。

その気になればあの世界の戦士も魔法使いも平気でこなせる程度の小技でしかないんだから。

勘違いとかじゃなく本当にレベル15くらいの連中なら簡単にできる。

死の森周辺じゃそんな技をお披露目する機会がないからびっくりするのはわかるが。


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