「そうか…お主も今回の病の根源は王国にあると睨んだか、」「……へ?」
新章
「なぁ爺さん。俺、ちょっくら国滅ぼしてきたいと思うんだけど…手伝ってくんない?」
発病してから意識不明の重体に陥るまで約半日、具体的な治療法がまだ普及しておらず、最悪の場合都市が滅んでもおかしくなかった、流行病の根絶。これに一役どころがオールキャストとして活躍した幼女は間違いなく今回最大の功績者と言っても過言ではないだろう。
エリクサーの調達から果ては薬草採取まで幼女は忙しなく国中を走り回ったのだ。(本当は生霊に任せて茶でも啜って居たかったが、これは10メートル以上離れると消滅してしまう。)
…なのに、なのにだ!
あの阿呆どもは「ウー」だの「アー」だのゾンビみたいな呻き声しか漏らさないばかりか金銭の一つ寄越しやしない。
元気になったらとっとと、トンズラこくときた。
「(ブチのめすぞクソども)」
かくなる上は国に直談判して報酬金をたんまりと、それこそ国庫を空にする勢いでせしめてやろうと思い立ち、幼女一人だと舐められそうなので自分の次に活躍した爺さんを誘った。
……
…………
「そうか…お主も気づいておったか、この病の元凶は国の上層部の闇に潜んでおると……」
「……へ?」
そして事態は加速する。
人々は爺さんと幼女に勿論財産の全てを捧げても苦と感じないくらいの感謝の念を抱いているが、爺さんが勝手にお断りを入れた為、金品は集まらなかった。
それを彼女(?)が知ったら生霊パンチが炸裂するだろう…誰にとは言わない。