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お義母さん

本日2回目

「母親だと……?」


謁見の間に腰掛けていたカズマサは顔を歪める。

連想されるは痩せぎみの中年おばさん。

名をーー佐藤百合江さとう ゆりえ

扇子を口に当て頬をつり上げる。

その不敵の笑みはどこか、カズマサを連想させ、和正にとっては生涯の宿敵である。


過去、女の癖に女が好きというアヤツは、常に愛人(若い女性)を侍らせ学生時代の初な和正に屈辱の限りを尽くした。


「オホホホ!どうだいこの子は、お前のタイプだろう?」

「な、何を……」

「ーーチュ。私のフィアンセだ。」

「な、な、な、」

「童貞!悔しかったら彼女の一人ぐらい連れてこいってもんだ!ーーあぁこの子お前の()彼女さんだったね」

「あ、あ、ぁぁぁぁ!!!」

「オホホホホ!……


アイツが、あのババアがこの街に来たのか。時空を越えてまでも俺を苦しめる気なのかッ

俺の自尊心をズタズタに引き裂いただけでは飽きたらず今度は異世界だと?望むところだぶっ殺してやる!


「通せぶっ殺してやる!!!」


















「そろそろ行きましょうか。」

「本当に、よろしいのですか?」


ブラッドは立ちふさがり最後に問う。


「ご主人……閣下は、お怒りだ。いくら貴方だからと言って閣下の命令が下れば……我々は貴方を斬らなければならない。」

「それでも私は、母として彼女に会わなければなりません。

……ブラッド貴方は今度こそ誠の忠義を捧げることができるでしょう。良い王に選ばれましたね。」

「…………(誠の忠義か。)」



操られていたとはいえ、確かにあの王を命をとしてまで守ろうとは思えない。

だが、変わり者で、女好きな、弱きをなんとなく助けてしまう酔狂なご主人の盾としてなら……死ぬには充分だ。

俺は半世を捧げて初めて騎士に成れたのか。ガハハ…笑いもんだなこりゃあ。


「では、閣下がお待ちです。」


ブラッドは清々しい気持ちで扉を開けた。









我が主カズマサ様の母親を名乗る女が現れた。

ざわざわと城内は騒がしくなりスカーは直接目にして、驚いた。なんと、その女性はスカーのよく知る存在で、

門前に佇むその姿は確かにカズマサ様の面影を感じるのだ。

まさか、あの方が本当に!


……だとしたらなんと怨めしいのだろう。


スカー以下聖翼の騎士が感じたのは少しの驚きと煮えたぎる怒り


首も座らぬ我が主を路上に捨てた犬畜生にも劣る蛮行と、また貴様ら一族は過ちを重ねるのかという失望。

一度私たちの国は一人の呪術士によって壊滅した。

我々にも落ち度はあったのだろう。しかし、お前らが騎士団の反対を押しきってあの呪術士を城に招いたことは知っているぞ。元を問い詰めれば貴様らのせいで王都は滅びかけたのだ。

何故平気そうな顔をしている?我々が何十年苦しんで来たと思っているのだ。


「閣下から許可が出た。入れ、」


願わくば我が主カズマサ様。彼女に然るべき罰をお与えください。殺気をちらつかせる騎士達は重い城門を開いた。

ブラッド……幼少期からの『彼女』を知っているのであんまり怒っていない。カズマサを捨てたのも何か特別な理由があったのだろうと思っている。

スカー以下聖翼の騎士……今さら何をしに来た?カズマサ様の功績を耳にして甘い汁でも吸いにきたのか?

(めちゃくちゃ雰囲気悪い)


カズマサ……「あのババアァァァ」ずっと勘違いしている。


補足

スカー以下聖翼の騎士に施された呪いとブラッドに施された呪いの違い

スカー以下聖翼の騎士『記憶にくっきり残る』

ブラッド『曖昧』

悪行に嬉々として手を染めていた忌まわしい過去をスカー達ははっきり覚えているけど、ブラッドは何となくそんなことがあったような…程度。

両者のヘイトに違いが出るのはここら辺も関係している。

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