事後処理
「ーー暴徒化した民衆は鎮静化。領主ドウラク討伐の折、閣下を神聖化する者も多く騎士団への加入を申し出る者が、」
「女性はいるか?」
「…いません。」
「雑魚を増やしてどうする。義勇軍とかにして、街の警備でもやらせとけ。」
「はい。それと異国の衣装を纏う“三郎”を名乗る男の処遇ですが、ヘンゲノジュツ?によりかなりの有益な情報を齎しました。謎に包まれた男ですが閣下への忠誠心は申し分ありません、此度の功績を称え聖翼の騎士団の加入を認めようかと」
「いいんじゃね?」
「では、そのように。」
書類を畳み一礼して立ち去るスカーことスカデソク。
それを見送るカズマサはどこか浮かない顔をして槍を振るう。
いつものような覇気がない、ただ亡霊のように的に向かって槍を振るうカズマサに幾人かの騎士達は悟った。
また、ダメだったのだと。
女運の悪いカズマサ。悪い意味で男運はいいそれがカズマサ。
普段は汗臭い騎士たちを忌避して、訓練時間をずらす筈が、今日に限ってはその中に混ざり槍を振るっている。
(そうだダメだった。)
彼女…悪徳商人から救い出した名も知らないあの子は今日街を去った。
復興に全面的な協力を表し、取り敢えずの拠点として領主館に腰を据えてからだ。日中訪れた彼女は故郷へ帰るとその胸を明かした。
…ショックだった。
大人として責任を取る意味での復興への手助けはあったとはいえ、彼女からの好感度アップを狙わなかったかと言えば嘘になる。
(容姿が好みだった。ガチストレートだったんだ。)
呼び止める言葉も出ず、ただ送り出してしまったカズマサには後悔しかない。
人化した三郎がドウラクの記憶を吸い取り、ドウラクに化けてこの街の所有権をカズマサに譲渡していることなどどうでもよかった。
聖翼の騎士団が、奴隷の身分を必要以上に辱める下劣な奴隷商を血祭りに上げている事も、割とどうでもよかった。
「告白の答えぐらい聞きたかったなぁ〜!」
あるのは後悔のみである。
ーーカズマサは拠点を手に入れたーー
彼女ーーマリナさんは、やはり心に負った傷が大きく、暫くは故郷で療養にあたるとのこと。
再登場の予定は、未定である。
【マリナ】元貴族 男爵家長女
統治 0
支持率59.7%(没落前)
父からの溺愛度30%
魔力 100
性格 貴族
体脂肪率 11% 痩せ
所有魔道具 0
…経験人数15人
※金髪で巨乳…そして美人。父の不正により降格処分を受けた、優しい人。
カズマサのタイプ。精神力は鋼。
段位を取り上げられたとはいえ悪政を敷いていたわけでもないので、民衆からは慕われ比較的平和な日常を送っていた彼女はドウラク子飼いの奴隷商に攫われ、高額で売り払われた。
経験人数は、あのドラ息子とその部下達。滅殺済み。