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一滴の波紋【原文】2巻の1  作者: 藤田ユキト
一滴の波紋【原文】2の2
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ある日の日記38回


三十八回


 だからこれからはもう君達の視線を気にしないで堂々とやろうと思っています。

 欲求不満が重なってイライラするのも耐えられないことですからね。

 そしてその物(?)を立派なものに育てて、いつの日にか二人で大いなる喜びを分かち合えるようになりたいものだと思います。

 君達もそのことが悪いという罪悪感にかられることはないんですよ。ひたすらそれに精進してその機能を立派なものにするよう励んでください。

 そのやり方などはいろいろとあると思います。しまり具合が一番大切なものだし、何(?)を何(?)してよく締まるように努力することですね。独り身の内はやはり将来巡り会えるべき男性の事を思いやってそのような心遣いでやっているのも、また楽しいものだと思います。

 イエイエ、これは経験があるからでわないのです。雑誌に出ていたことなんです。

 僕は口で言うだけで、実際には何にも出来ないんです。その点は誤解なさらないようにお願いします。


 しかしやはりつまりませんね。

 独り身の内は、とにかく一回きりで済ますので、その喜びというものは半分も味わえません。

 やはりそれは続けて限度のあるまでやってこそ本当の快楽の神秘にひたれるのでわないかと思うのです。

 最初はその小っぽけな快楽(快感)が次にはそれに輪をかけて大きくなり、次にはまた大きくなって、身体の限界までためしてこそ、初めてその最高の喜びが味わえるのでわないかとも思います。

 それはあくまで僕の推測の域のことですが。そういうことでやはり一人ではなかなかいきつきません。

 相手が居て初めて、また次にやろうという刺激も与えられますし、次から次へとその喜びを深めていけるものと思います。

 僕も早くそのような最高の快感を味わえるようになりたいものだと思います。


 アァ~、チョッと行き過ぎでしたか?

 昨日も「あの子は正直(素直)だから、スグ調子に乗って本当のことを書いてしまうのよ!」と言って、叱責されて、僕は反省させられていたのですね!

 しかし……、イイじゃないですか。これくらいは!

 雑誌をひもとけばもっとどぎつ~~い事が書いてあるんですからね。

 これくらいイヤラシイのイの字にも入りませんよ。

 しかし彼等も言いますように、実際の僕はこんな事を言っていても、まったく砕けておおっぴらに振る舞えないような堅物なんです。

 口もまともにきけないし、とにかく楽しもうとしないのですからね。

 だから僕をそのような心と同じように振る舞えるように誘導させてくれるのは、君達(女性側)のリードにかかっているのです。

 だからその心(自分の心)を理解してもらう為に、僕のお嫁さんになってもらう女性ひとには、この日記を読んでもらおうと思っているのです。


 何の為に今まで書いていたのか分からない有様でしたが、ここでやっとこの日記の価値というものが一つ生まれてきました。

 今まで一生懸命書いてきた甲斐があったというものですよ!



 もしかしたら、今でも川口のママさんが色々と何やら世話をしてくれているのでわないでしょうか?


「ウチがこんなにまで思っているというのに、あの子はチッとも来てくれないで、本当に薄情な子だよ! もう来なかったら殺してやるから!」などと、頭にきているようにも思えるのです。

 また。「もう来なかったら契約を破棄しますわ」――

 何の契約かは知りませんが、とにかく今は色々もめごとがあっているみたいですね。


 本当に僕は薄情な男なんでしょうか? もう行くのが怖いんです。

 行けばまた昔のように暖かい心の触れ合いが出来ると思います。しかしもう……。

 あの金銭的に困る苦しさを思うと、とても怖くてなかなか行く気が起こらないのです。

 もうこのまま落ち着くべき所へ落ち着きたい。

 若い頃だったらまだやり直しがきくとゆうことで、無茶苦茶なことも出来ました。

 しかしここまで来ると、なかなかやり直すということはきかなくなってきてきますし――

 だから辛いんです。

 この先どうなっていくか予測も出来ません。

 だから今はただ成り行きに任せているしかないのです。この力足りない僕を許して下さい!


 しかし信じられないのです。君たちが来ているということが……。

 そう思いながら、ズルズルと君達の声に踊らされている自分が可哀想でならないのです。


 どうして君達は僕の心をこうまで奪ってしまうのか?

 まるで僕の心を見透かしているみたいに先回りして語ってくるのです。

 このようなことを書いていても

「よく書くわね。頭が良過ぎるから悪霊なんかにとりつかれるのよ!」とか――


「本当に来ているのに……」とか――


「信じられないのも無理ないわね!」とか言って、どうしても僕を信じ込ませてしまうのです。

 それで僕の頭は歯車が狂わされたように、何もかもがチンプンカンプンになってしまうのです。


 とにかく今は何も分からない。どうなっているのか分からない。

 何もかも分からなくなっているのです。


 このような生活が――、気持ちがいつになったらスッキリ晴れるようになるのか?……、想像もつきません。

 ある時には君達の囁き声に勇気づけられ、励まされ、叱責され、慰められ、楽しませてもらうことも出来ます。しかしそれでも苦しい。

 とても耐えられないのです。このような生活に……

 とても並の人間であったら、とっくの昔に気が狂っていることになりますよ!

 本当は僕も、もう気が狂っているのかもしれませんがね。


 とにかく不思議でならない。このような現象が起こっていることを……。

 これから逃れられる道は、とにかくここを出ていくしかないでしょうね。

 そしてお嫁さんでももらって、悪霊君達が入り込めないように、充実した生活を送る以外にないでしょね。


 早く出て来てくれ! 僕のお嫁さんとなるべき女性ひとよ!

 もし今の僕の苦しみを風の便りに聞いていたら、早く出て来てくれ!

 そして僕を救ってくれ!


    三十八回



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