表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一滴の波紋【原文】2巻の1  作者: 藤田ユキト
一滴の波紋【原文】2の2
36/44

ある日の日記36回

三十六回


 二月二十九日


 悔しいことだが、やはりこのイライラ、虚しさは、ただの欲求不満から来ているような気がする。

 (これは君達に読んでもらうために書いているのではない。あくまで自分自身に対する語りである。誤解しないでほしい)

 やはり月に一、二度はそのアクをスッキリ吸い取るのも必要じゃないだろうか?


 今まであまりにも価値々々を口にしていて、それをやる時も最低限一回に抑えていた。

 しかしやはりそれでも――

 イヤ、返ってそれが欲求不満をつのらせる源泉ともなっているのでわないだろうか?

 人間やはりこの欲望には勝てないものだ。

 そして又イヤラシイとか弱いとかゆうふうに決め付けるべきものでわないんだ。

 このように相手を得られないうちは、やはりそれを商売としている人にその役割を果たしてもらうことも決してイヤラシイものではないんじゃないだろうか?

 マア~、嫁さんとか、彼女とかいった、お互いに認めあった相手が得られたらそれに越したことわないのだが……

 やはりそれでもこのアクを抜くことは人間として必要欠くべからざることではないだろうか? という気がする。


 だからこれから金銭的に余裕が出てきたらボツボツ、月に一、二度ぐらいはトルコ(ソープランド)とやらでも行ってアク抜きでもしようか?……

 それも一つの良策だが……、まだ決定的なものでわない。


 やはり彼女なり嫁さんなり持つのが一番妥当なことなのだが――

 しかしそのような目的だけで女性達を迎えるということがどうも自分には認められない……し。

 また女性達にも悪い気がして――

 マア~、当分はその目的も消え、本当の恋が芽生えた女性ひとと結婚するなり、なにするのが一番この虚しさ、苦しさを打開させる良作ともなるだろう!


 とにかく仕事が順調にいっててもーー、女性の憧れの的になれていてもーー、文化的、価値的生活が営められていてもーー、遊びほうける時も……。

 この虚しさとゆうものは、どうしても消えないんだ。

 御本尊様においてもしかりである。

 また前と同じ様に戻ってしまいましたね。

 まったくどうして僕はこうも愚かなんだろう。

 もう語りたくない!

 そして意を決して飛び込むしかない!


 仕事にも意欲を持ってぶつかることが出来る。

 音楽を聴くことも、読書することも、テレビを見ることも、ドライブすることも、遊びほうける時も、余裕を持ってはしゃぎ回れて、一人の寂しさ、虚しさも消えて――

 また欲求不満だからといって、その解消の為に相手を捜す煩わしさからも逃れられて――

 御本尊様を拝し奉って……

 全てのことが充実して生きがいのある人生を送れるようになりたい……。

 早くそうなりたい……!


  何とかしてこのスッキリしない気分を晴らしたい!

 何がどうなっているのか? サッパリ分からないよ。

 奴等は俺が、一人孤独の部屋に閉じこもっているとゆうことで、好き勝手に色々な悪評をたたいている。

「自分本位な奴なんだよ」

「気が小さくて縮こまっているんだよ」

「あんな奴ぶちかませ」

「勝てないことはないよ!」

「ふざけてるんだよ!」などと好き勝手なことをほざいている。

 俺の苦しみなどまったく理解しようともしないで……。

 また彼等のように楽をすることしか知らない者達には、この苦しみ、もがきというものは分からない事だからね。

 今は何も彼等に言いたいことはない。ただ今の心境を整理するだけさ!

「アイツは人見知りするんだよ。好きな者としか話さないんだよ。イヤな奴さ!」

確かに 自分の好き嫌いによって話すようになる、ならないということはいけないことだろう。

 この点もやはり今後直していかなければならない。

 また本当のことを言うと、そうゆうことを言う人は、ただ自分が損をしないように自分が何をやるにも楽に出来るように網の目を張り巡らしているだけさ!

 そのことがあまりにも見え透いているので、これまではやる気がしなかった。

 しかしやはり直していかなければならないことだろう。

 そのような打算心がなく、ただとにかく皆と溶け合えるような方法を見つけて和やかにするよう努力していかなければならない。



「好き嫌いもなく皆と楽しくはしゃぎ回れるようになった」

「充実して毎日を送れるようになった」と言えるように早くなりたい。

 それもこれも全て小っぽけな我のワクにはまり込んでいる、そのワクを取り外さなければならないんだ。

 それが出来るのはやはり自己の仏性に目覚めさせてくれる、御本尊様を拝み奉ことしかないだろう――

 ということだろうか!?


 これまで想像もつかない程、内面的に充実しているといわれていた自分が、昨日の昼休み、バレーボールをやった時に、まったく無様な格好をしてしまった。

 それを見て俺の上役は今までのホクホク顔の心を一変して

「全然変わっていないじゃないか。成長していないじゃないか! まったく馬鹿げたことだよ!」などと、冷たい言葉をお吐きになった。

 そんな彼を見ては、やはり自分本位な人で、自分の部下にそういった偉大な奴が居るということを、他の人達に言われて、ほくそ笑んでいる。ただの自分のことしか思っていない人だということが分かったから。

 実につまらんことさ!

 何で良い面ばかり見せなければならないんだ。時には悪ふざけして無様な格好を見せるのも、また劣る者との差を縮める潤滑油ともなるんだ!


    三十六回




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ