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一滴の波紋【原文】2巻の1  作者: 藤田ユキト
一滴の波紋【原文】2の2
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ある日の日記29回

    二十九回


 やはり君達だけとの恋遊びにとどめておくべきなんだよ。

 そのような邪魔者が入ってくると、その素晴らしい恋の架け橋が傷んでしまう。

 だからさぁ~。また君達だけとの交流にしようよ――ねっ!


 今日はもう仕事をしてグッタリしている。文章を考えるのも面倒臭いほど疲れている。

 だから今日は勘弁してください! たまには良いじゃないですか!

 だから今日はもう君達も帰って下さい。僕も早寝しますから。

 この後、風呂へ行って、チョッピり本を読んでから寝るとします。

 だから君達は帰って下さい。


「そんなこと言って、後でまた書くんだわ」などとゆう高望みはしないで下さい。

 今日は本当に疲れているのですから。

 ただ最後に一言、彼等が言ったーー


「あの二人はまるっきり双子ふたごみたいなんだよ! 二人とも本当は使い物にならないんだよ!」


 という浅はかな言動は慎んでくださいねっ。彼と僕とはまるっきり異質のものですから、僕を信じて下さい。

 そう言っても、まだ僕のことをけなすようだったら、本気になって怒りますよ! そして彼等を完全に身も蓋もないドン底に叩き落とすことも出来るんです。

 そのような辛いことを僕にさせないで下さい。


 もう僕はゴメンさ! こんなくだらない闘争に首をつっこむことは。

 もっとましな同志がいっぱい居る中でだったら、それもいとわない事だけど――

 しかし悲しいことだけど、僕の同士らしき者は、この会社に一人も居やしない。

 誰もついてこれやしないさ! 僕の思想に(生き方に)。

 そして僕の思想(生き方)というものも、この会社では通用しないということを悟った今としては、あえて仕事のことに口を挟む気もない。


 結局は、ここを離れていくか、黙認して放っておくしかない事さ!


 もう君達は帰って下さい!

 今のいざこざを解決する方法は、今までこの日記に述べてきた中にチャンと示唆してある。

 もしそれを見つけたかったら、己の生命(心)に聴診器をあててよく聞いてみることだ。

 今更、俺があえて言うことは何もありゃ~しないのさ!



 二月二十五日


 せっかく来て頂いて申し訳ないんですが、この頃君達が騒いでいないせいか、僕の方にもチッともその囁き声が聞こえてこないんです。

 だから何か書こうと思うのですが、その材料がなく、まったく筆が進まないのです。


 僕がこれまで書いてきたことは、あくまでかの悪霊君達と会話をして、それをまとめたものを書いていたのです。

 だからこうも悪霊君達が語ってくれなかったら、僕としても何にも書くすべがなくて困ります。

 僕には架空の文を創作する才能など、まったく持ち合わせていませんので――

 従って、何も書くことがないのです。

 だから今日も書かないで終わることにします。

 わざわざ来てもらって申し訳ありませんが、そうゆうことですので失礼します。

 サヨウナラ!


 と言ったんでは、あまりにも無責任すぎるように思いますので、マァ~、ボチ~ボチ。思い起こしていきます。それまで少し待って下さい。


 (トイレへ行ってきますでわありませんが)と言って、トイレへ行ってウ~ンときばりながら、ウンコじゃないけど、知恵を絞り出そうとしたのですが、なかなか出て来なくて、出てこなくて……

 どうも便秘気味でウンコさんが出てこようとしないのです。

 きっと君達が見ているから恥ずかしがっているのでしょうか?

 しかしそれでもやっと恥ずかしさを忍んで、出てきそうです。

ウ~ン、ウ―ン。もうちょっと……。もう少し……。


 やっぱりダメですね! また引っ込んでしまいましたよ!

 こうも恥ずかしがり屋じゃ、とても人様にお見せ出来るものではありませんねッ。

 何しろ何(?)のしぼりかすですから。その醜い顔を見られるのが恥ずかしいのでしょう。

 しかし……、しかし大丈夫です。僕がついてますから。

 恥も外聞もわきまえない俺シャマがついてますから。今にきっと出てくるでしょう……。

 いくら醜いカス顔といっても、僕からしてみれば、やはり自分の身体から排泄(出て)してきたものですからねッ。


 しかしやはり僕は彼の責任者なんです。

 彼が笑われるということは、畢竟ひっきょう僕が笑われるのも同然ですからねッ。


 だから一生懸命彼に知恵を授けて、少しでも綺麗な顔にしてやろうと思います。

 それまでどうか、もうしばらく待って下さい。


    二十九回





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