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一滴の波紋【原文】2巻の1  作者: 藤田ユキト
一滴の波紋【原文】2の2
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ある日の日記21回

    二十一回


 可愛いかことは、可愛いかばってん。

男として女を味わうという点では、実にまづかような身体つきばしと~と。

 スタイル、顔の良かおなごは、なまじそれに甘んじて、心と機能(あちらの面)ば優秀にすっ努力ば払わん。

 じゃけん、奴はあそこの味はまったくお粗末なもんじゃと思うと……

 だから勝手にしてくれ!


 もう――

 もう彼女のこつは忘れた。そしてこれからお話ししていくことは、彼女に対してではなく、他の姉ちゃん、彼氏のいない娘――とでも言いたかバッテン。

 そいもアホらしくて止めた。

 トドのつまりは自分自身と対話するしかなかと――


 何せ、今の世の中で、人んこつば、気遣う善良な人間が居るはずがなか!

 もう止めた。オイがいつまでもしつこ~していたら、お前達の仲もスムーズにいかんじゃろうが。

 だからオイはいつも言いよっと。ハヨう身を許せ! 

 そうして、どうにもならんようになれって! そいが、結局は、俺の苦しみをも救うことになぁ~と。


 だから……。だから後生だからそうしてくれ! これが最後の頼みたい。これ以上、俺を苦しませないでくれ!


 こんな話しばすっと、また彼女が困る……。

 だから俺は今の所、自分の本心ば言わんと!

 本当にもう俺の目の中に入らんようにしてくれ! 彼女の姿が目に入るだけでも、自分の心は地獄に落ちる苦しみば受くっと。


 しかし何も彼女が悪かとじゃなかと。俺が彼女を好きになったのが悪かと!


 アァ~、もうよそう、こんな話しは。せっかくの楽しいひと時ば、お通夜みたいにつまんなくすっけんね。辛かばってん、話しばゆっか!



 その日はそうゆう良い気持ちで会社を後にしました。そして御本尊様をもらったまじかだったので、少しでも早くその御本尊様を拝みたいと思い、それを収めるべき仏壇を買いに行ったのです。


 とにかく彼等は言うのです。自分の生命いのちよりも大切なものだから、決してお粗末に扱ってはいけない……と。


 僕がどうしても早く拝みたいから、仏壇を買ってからでなければ見られないんですか?と尋ねたのです。すると


「だってそうでしょうが。自分の生命いのちを扱うのに、それを大事に納めるべき場所もない内に、自分の生命を嵐の吹きすさぶ野原に置いてきぼりにするわけにもいくまい。

 やはりきちんと居心地の良い住まいを与えてやって、その中で初夜を迎えさせるのが上等のことでしょう」


 そう言われてみれば、そのような気もすると思って、一応その時には我慢をしたのです。


 しかし開かない御本尊様を目の前にしておくと、しておくほどに、早く拝みたいという気がしてきて、どうしようもないのです。

 お金はないのだが、とにかくあるだけの分で、間に合わせようと思って、一人、池袋の仏壇屋に行ったのです。


 最初の仏壇屋はまったく自分の持ち金に見合っただけの安物がなくて、どうしようかと思い煩いました。しかし買えないものは買えないものだし――

 じゃ、次の店でも当たってみるかと次の店に行ったのです。


 アァ~、こんな話しは君達には関係の無いことですね。だからこれ以上、突っ込むことはよすことにします。

 とにかく、その店に思いもよらない娘達がいたのです。同じ日に御本尊様を受けた娘と、その娘の先輩がです。


 その先輩とは一度だけ顔を見合わせている間柄ではありましたが、その時には、ヘェ~、学会の中にも、こんなに美しい人がいるのかと、感嘆したものです。

 その時はただそれだけの気持ちのまま別れました。


    二十一回




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