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【プロローグ】俺は転生する。

俺は死んでしまった。


死因?情けない話だよ。


病死とか事故死とかならまだ納得できたんだが…。

銀行強盗に人質に取られたあげくあっけなく殺された。


こんな死に方するなんて夢にも思ってなかったさ。

犯人はどうなったんだろうな。

まぁ、死んでしまった俺には関係ないが。


だけどせっかく就職も決まってこれから楽しくなるところだったのに。

引っ越しに必要な物を買いに行くために金を下ろしに行ったんだ。

そしたらあっという間に人質に取られちまった。

犯人が逃走するときに足手まといにでもなると思ったんだろうな。

そこで犯人に首をスパッって切られてお陀仏って訳だ。


死ぬ時って案外怖いもんじゃなかった。気分がいいわけではないけど。

あぁ…もう死んじまうのか…。って感じ。

自分はそう感じただけで怖いって思う人いると思う。

だから怖くないみたいだぜ!自殺しちまおうぜ!とか絶対だめだからな?


まぁそんな感じで死んだ俺は死後の世界とやら来ているんだ。


なんで死後の世界ってわかったかだって?


『死後の世界』って看板があるんだぜ。

少し離れたところに建物があってそこには『転生手続きはこちらまで』っていう看板があった。


転生ってあれだあれ。剣と魔法の世界で無双しに行くやつだろ。

まぁ、とりあえず建物に入らないことには何にも始まらないよな。


建物の中には『アースガルド』『地球』『サランディア』など世界の名前であろう看板があり、そこには転生手続きを行う人たち(稀に異世界の人だろうがトカゲみたいな頭の人や犬や猫の耳が生えてる人もいた)が列を作っていた。


どうれにしようかと迷いながら俯いていると後ろから声をかけられた。


「あなた、転生先は決まった?」


後ろにいたのは黒髪の女性だった。20歳くらいかな?すごく美人だ。


「まだですが…。どちら様でしょうか?」

「私は死後の世界、つまりここね。ここにある転生管理局の職員よ。担当は『ストレンディア』と呼ばれる世界ね。あなたの死因と暮らしていた世界を見させてもらったわ。」

「俺の死因と暮らしていた世界をですか?俺は何かに選ばれたとかそんな感じですか?」

「残念だけど何かに選ばれたわけじゃないわ。ただ気になったから。転生管理局の職員には過去を見れる力があるからそれであなたの過去を見たの。それで転生先が決まってなかったらぜひ『ストレンディア』に転生してもらえないかって思って声をかけたの。」

「どうして俺が転生先を決めてないと思ったんですか?もう決めているかもしれませんよ?」

「あら、もう決まっているの?列にも並ばず俯いていたからまだ自分の死を受け入れられていないのかもしくは悩んでいるのかと思ったけど。」

「まぁ実際転生先は決めていませんけど…。」

「よかったわ!じゃあ『ストレンディア』に転生してくれないかしら?」

「待ってください!俺はまだ決めていないだけでまだ何の説明も受けてないんですが…。」


転生先の世界が多すぎてどこがどんな世界なのかもわかってないんだ。

説明を受けてないからどこにしようなんて決めれないし。


「『ストレンディア』は地球に比べたら全然発展していないけど、ていうか地球と比べたらどこの世界でも文明レベルは追いついていないし安全性も地球がトップだから…。『ストレンディア』は地球でいったら中世ヨーロッパあたりの時代ってところね。地球にはない魔法とスキル、それにレベルという概念もあるわ。魔物がいたりして危険性は高いけどあなたの過去を見た限りでは『ストレンディア』はちょうどいい世界だと思うのだけれど。」

「でもなぁ…。そっちから声をかけてきたってことは気になったからだけじゃないでしょう?」

「理由はそれだけじゃないわね。『ストレンディア』に転生する人数が少なくて思うように発展していないのよ。他にもいろいろとあるけれど主な理由はそれよ。」

「俺は『ストレンディア』に転生してもいいです。ただいくつか条件があります。」

「条件?なにかしら?」

「俺の記憶を保持すること、転生する際にいくつかのスキルをもらうこと。」


わざわざストレンディアに転生してやるんだ。ちょっと優遇してもらわねぇと割に合わないしな。


「いいわ。転生後はあなたの記憶は残しておくし、スキルもあげる。おまけで種族まで選ばせてあげるわ。」

「条件を飲んでくれるんだな。じゃあ俺は『ストレンディア』に転生する。」

「よかった。じゃああなたにはスキルを3個あげるわ。この中から好きに選んで頂戴。」


俺の目の前にパソコンのようなものが現れる。

スキルを3個か…。どうしようかな。


とりあえず魔法だな。『魔法』で検索っと。


《火魔法Lv1》

《水魔法Lv1》

《風魔法Lv1》

《土魔法Lv1》

《氷魔法Lv1》

《光魔法Lv1》

《闇魔法Lv1》

《竜魔法Lv1》

《回復魔法Lv1》

《空間魔法Lv1》

《精霊魔法Lv1》

《契約魔法Lv1》

《召喚魔法Lv1》

《生活魔法Lv1》

《時空魔法Lv1》

予想はしていたのばかりだな。

やっぱ魔法は使いたいよな。


「このLvって、例えば《火魔法Lv1》のLvって熟練度みたいなものですか?」

「ええ、このLvが上がるにつれて効果も上がっていくのよ。剣術とかならスキルがなくても使えるけど魔法はスキルを持ってないと使えないわね。スキル=才能のようなものだと思ってくれればいいわ。ちなみにLv1で初級、Lv2で中級、Lv3で上級、Lv4で熟練、Lv5で達人、Lv6で人外って言ったところね。」


うーむ。Lv=熟練度か、という事はLv1の状態でしかもらえないのかな?


「Lv=熟練度という事はもしかしてスキルをもらうときはLv1じゃないともらえないってことですか?」

「ええ、Lv2以上であげることもできなくはないんだけど上にばれると転生管理局をくびになるかもしれないから。スキルあげるのもぎりぎりよ。あ、言い忘れてたけど《全言語理解》はあげるわ。もちろんこのスキルを除いて3個あげるわ。」


うーん。Lv1でしかもらえないから慎重に選ばないといけないな。

でも《全言語理解》がもらえるのは助かるな。

危うく転生したわいいけど全く話せなくなるとこだった。


うーん。チートの定番で言えば能力強奪系だよな。

『能力』で検索してみよう。


《能力譲渡Lv1》

《能力強奪Lv1》

《能力統合Lv1》

《能力創造LV1》


うわー。チート能力多いな…。

やっぱ《能力強奪》は候補だな。ただ《能力創造》も気になる。


「この《能力創造》ってどんな能力ですか?」

「《能力創造》はその名の通り能力を作るスキルよ。ただ能力を作る際には魔力を消費するし制限もあるわ。でも使い方次第では強力なスキルよ。」


制限もあるのか…。これも候補入りだな。

隠しスキルとかないんだろうか。

神に匹敵するスキルとか…。

『神』で調べてみるか…。


《神格化Lv-》


一個しかない…。強いのかなこのスキル。


「この《神格化》ってスキルはどんなスキルですか?」

「あぁ隠しスキルの一つね。そのスキルは使用することで10分間だけその身を神に昇格させるというものよ。身体能力や魔力量、魔法威力など全体的に強くなると考えていいわ。」


これは有力候補になりそうだな…。

空白で検索したらどうなるんだろう。

『  』で検索してみようっと。


《傲慢》選択不可

《強欲》

《嫉妬》選択不可

《憤怒》選択不可

《暴食》

《色欲》選択不可

《怠惰》選択不可

《勇気》選択不可

《知識》

《正義》選択不可

《慈愛》選択不可

《忍耐》

《忠実》選択不可


うわぁ…。大罪系と美徳系がある…。これやばい奴じゃん。

でも選択不可って何だろう。


「この検索画面の選択不可って何ですか?」

「隠しスキルの中でも上位のスキルを見つけちゃったか。選択不可になっているのはもう所有者がいるからよ。そこにあるスキルはユニークスキルだから所有者は1人しかいないの。ちなみにそのスキルを選んでもまだスキルの種の状態だから詳しい効果はわからないわ。スキルを得た際に所有者が望む力になるの。本来なら転生時に得るはずのないスキルだから私もどうなるのかわからないわ。」


ユニークスキルか…。なんかいいね。

もうこれにしちゃおうかなぁ…。


「じゃあ《強欲》《暴食》《知識》のスキルをもらうぜ」

「わかったわ。どんなスキルになったとしても文句は言わないでね。私も初めて見るケースだから。」

「あぁ、どんなスキルになっても文句は言わないさ。」


まぁ、心の中では文句言うかもだけど…。


「じゃあ次は種族を選んで頂戴。そこに載せるから。」


パソコンの画面が切り替わる。


人間:人口が最も多くバランスがよい。個体差がある。

獣人:犬、猫、狼、獅子、兎など様々な種類がいる。基本的に魔法を苦手としている。身体能力が高い。

ドワーフ:手先が器用で職人になる者が多い。力が強く鍛冶などを得意とする。

エルフ:森に住む。閉鎖的なところがある。弓と魔法を得意とする後衛向きな種族。長寿である。

竜人:人口が少ないが肉体は強靭である。強力な個体は《竜化》などの特殊スキルを覚えられる。

魔族:すべての種族と敵対している。魔法を得意とするが身体能力も高い。竜人を除けば最も強い種族である。


うーむ。魔族はないな。うん、ないわ。

全ての種族と敵対しているってダメだろ。

俺的には人間か竜人だな。エルフは長寿だが閉鎖的だもんな。


「竜人とエルフのハーフとかいないんですか?両方の特徴を兼ね備えたみたいな。」

「いることはいるわよ。ただどちらかの種族になっているわね。人間とエルフのハーフくらいしかいないわよ。」

「そうですか。」


うーん。どっちの特徴も兼ね備えていれば最強になれたのに。


「竜人って寿命どれくらいですか?」

「500年から600年くらいね。ただ若返る方法もあるからそれ以上生きる可能性もあるわ。ちなみにエルフは1000年から2000年よ。」


意外と竜人も長寿だった。

てかエルフ長寿すぎだろ。そんなに生きて何するんだよ。

竜人にしようかな…。


「じゃあ、竜人でお願いします。」

「わかったわ。じゃあ頑張ってね。」

「はい。ありがとうございました。」


俺は異世界で無双してやるんだ。

そう思っているうちに俺の意識はなくなった。


次に目を開けた時には目の前に俺の親になるであろう竜人が俺を抱いていた。










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