キッカケ
反重力 発見から7年後
2037年 春
- とある中学の授業 -
・今日はまだ新しい歴史、反重力についての授業だ。ちなみにお前らはどう解釈しているんだ?
- えーっと、浮く?
- 便利
- まだよくわかんない
・ハハ、ザックリだな。まぁでもみんなあらかた間違ってはいないな。反重力は確かに大まかに言えば浮くことがすべてだし、今私たちにとっては便利なものになった、そしてまだ全容をすべて把握できていないものだ。とりあえず順番に説明していこう、まずここ最近できたもので便利な発明を挙げてみてくれ。
- 交通機関の動力が反重力になりました。
- 新しいエネルギーとしての供給源
- 重いものに専用の機器を付けると軽くなる
・うん、みんないい例を挙げてくれたね。君たちはそれらがどういう原理で適用されているかってのは知っているかい?
- そこまではちょっと。。。
・大丈夫、多くの人はそんなものだ。まだ見つかって7年だ、わかっている人の方が少ないのが現状だからね。じゃーまず交通機関から説明していこう。
・まず自動車だね、動力が反重力と君は言ったけど正確に言ってしまえば少し違うね。反重力の役目は浮くとブレーキだけになっている。発進は後ろについている小型のブースターがその役割を担ってくれているね。
- 反重力でブレーキってどうやるんですか
・いい質問だ。これについては先生もあまり詳しいことは言えないんだが、反重力がかかっている物体に重力の負荷を与えるととある反発力が生まれるらしいんだ。これをうまく利用することによってブレーキとして働いているらしい。
・同じ原理で今後も電車や新幹線、飛行機などもどんどん変わっていく予定だ。主な理由としてはエネルギー消費の節約が理由だね。今までガソリンなどに頼っていた量が約1割にも今後抑えられるらしいよ。
- なんでそこまで減ることができるんですか
・反重力で無重力と似た状態にすることによって慣性の法則が適用され、動いているものは永遠に動き続ける。摩擦がないから最初に使用した発進のエネルギーがずっと留まって、今までみたいに追加でどんどんエネルギーを足さなくていいんだ。
・これが次に説明する新しいエネルギー供給源としての理由にも繋がってくるね。今まで水力、風力、ソーラーと自然を利用したエネルギーが出ていたけれど、反重力という自然の理ほど合っているものはないと言ってもいい。ソーラー発電は熱を利用しているから別だけれど、水力と風力などは基本自然を利用して、水車、ブレードを「回転」することで電気を作っていたけれど、どちらも安定するものではない。けど反重力だと空間に適用させることで最初に与えた回転率を常にキープできる。安定して24時間常にエネルギーの供給が可能となった。だから、反重力発電の場所が増えれば増えるほど原子も火力の発電所もなくなっていく見込みだ。
・後は・・・そうだった、反重力を利用できる機械だね。たぶん例として挙げていってくれたのは物体指定のものだね。種類としてはもう一つ空間指定の機械もあって、二つをうまく利用することによっていろんなことが可能になってるね。ただこれに関して言えば説明できることはあまりないんだよね。
- えー、なんでですか。
・技術としてこうやって表舞台に最近は出てきたけど、実際反重力の法則がどのようにして発生させられるのかは世界の決まり事として最重要機密事項として取り扱われている。だから、反重力は認識できていても法則として一般の人は説明できないんだ。企業として反重力を扱う場合も絶対にエルリック財団を通してから使用する用途に合わせた機器を取り寄せるしかないんだ。
- なんで、教えられないんですか。こんなに便利なのに。
・うん、便利ってのは同時に危険性も十分にあるってことだからね。たぶん反重力って技術は悪用された場合を想定したら大変なことになるんだろうね。その傾向として人に反重力を適用するのは違法とされているだろう?
- あ、はい。この間父が空間の反重力を使って運送しているところに入っていったら強制解除されてすごく怒られました。
・ハハ、やっぱり浮いてみたいって思っちゃうよね。でも反重力の制御ってのはとても難しくらしく人間に使ったら最悪転落死も起こりうる可能性だって十分にあるし、後発表で人体に引き起こす研究がまだ解明されていないから今はまだ危険って判断なんだろうね。
- じゃー害がなく、制御も完璧になったら自由に空を飛べる日も来るってことですかね!
・そんな夢のような光景も、今となっちゃ夢で終わらない可能性の方が高いからね。君たちが大人になるころにはもっと反重力について研究されていると思う。だからこの時に君たちが思い浮かべた夢がまだ実現していなかったら自分の手で叶えてみるのがいいと思う。
この先生のセリフの後、生徒たちは叶えてみたいと思う「夢」を各々語り、クラスは大いに盛り上がっていた。そんな中、クラスの端で他の者のように言葉には発してはいないものの、胸の中で密かに夢を思い描いていた子がいた。
この時まだ15歳、桐埼隼人[きりさきはやと]
この時よりさらに7年後の22歳にて、彼はこの日描いた夢に向けて大きく動き出す。




