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森ガール、はじめました  作者: マルコ
1.In The Shadow Of The Valley
1/8

Long Long Ago ...

むかしむかし、樫の長老さえもちっぽけな木の芽だった頃のお話です。


 ある大陸に、それはそれは見事な国がありました。

 秋になれば、村々には金色に輝く海のような麦畑が茂るすばらしい大地を

 賢く慈悲深い王様が治め、国中の人々は幸せに暮らしておりました。


 ある時、そんな国をおもしろく思わない者たちが出てきました。

 その者らは、嫉妬深く傲慢で、とてもとても強い獣でした。

 獣らはその国の大地を蝗で覆い、空に硫黄を撒き散らし、海を塩の固まりにしてしまいました。


 困った人々は、王様に相談します。

 「王様、あの獣らを倒す方法はありませんか」

 王様は言います。

 「あの獣らの毛皮は剣より硬く、爪は鎧をバターのように切り裂いてしまった。あの獣らを倒す方法は、わたしにも分からない」

 ほとほと困り果てた人々と王様は、最後に女神様に祈りました。

 女神様とは、この大地を作り、人々を生み出したとても優しいお母様の様な神様です。

 「女神様、女神様。私たちに、獣らを倒す方法をお授け下さい」


 その願いを聞き届けた女神様は、お空の上で子供たちにそれぞれに宝物を授けて言いました。

 「あの獣らを倒すのです」

 勇敢な子供たちは快く引き受け、大地に降り立ちました。


 そうして子供たちを見送った女神様のもとに、末の子供が遅れてやってきました。


 「女神様、わたしも兄様姉様と一緒に大地に行きたいです」


 ですが、宝物はすでに一つも残っていませんでしたから、末っ子を送り出せません。女神様は困ってしまいました。


 「宝物が無ければ、あの獣らとは戦えないのです」

 「それでも、何かお役に立てましょう。荷運びでも、この身を盾にすることだって出来ます」


 けれど、女神様は大事な子供をそんな目には遭わせたくありませんでした。其処に、大地と海と空がやってきます。


 「ならば、私たちが力を貸して上げましょう」

 「獣らに、私たちも困っていたのです」

 「力を合わせれば、きっと獣らも退治できるはずです」


 それならば、と女神様は末っ子に緑の外套を授け、大地と空と海らと共に見送りました。


 こうして、獣らは子供たちのお陰で、国から逃げて行きました。

 これが、勇者様たちの伝説です。






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