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シェールのシュヴァリエ  作者: 岩戸 勇太
当一の家に帰って
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一美とシェールの戦い

「リーシアがどうしたんだ?」

 当一が聞くと、シェールが当一の目の前に、魔法の蝶を握り込んだ手を差し出してきた。

「あいつ……これを使って私達の事をのぞき見していたのよ……」

 形は崩れているが、それは、蝶の形をしていたのだろうというのが分かるものである。

 小さな光の粒になって消えていった後、シェールは手についた粉でも払うようにして手を振った。

「もう、気分は良くなったでしょう? 立ちなさい」

 当一の頭を引っ張り上げながら言う。

「ああ……そうだな」

 本当は、もう少し寝ていたかった当一だが、ジェットコースターに十回も乗れば、時間も経つ。もう、時間は三時になっていたのだ。

 二人は、そろそろ帰ろうという結論になり、二人で帰りについた。

 シェールは正門ゲートまで歩く道すがら、辺りを十分に見回した。

「あっちからやってきたか……」

 リーシアと、女の子は、シェール達の事を見つけて、笑いかけながら、近づいてきた。

「当一……この股のユルそうな子は一体誰なんだ?」

 一美が言う。リーシアはそれに対して怯えているようにして

「そうね当一……やたら乱暴そうなこの子って一体誰なのかしら?」

 そう言い、二人は視線をぶつけ合った。

 帽子を目深にかぶり直したリーシアは、相手の女の子の後ろから、三歩、後ろに下がる。

「ああ……こんな所で会うなんて、偶然だな……」

 当一が言う。だが最後まで当一が言う前に、シェールが言い出した。

「本当に偶然なのかしらね? ストーカーとかでもしていたんじゃないの? そういう下劣な趣味とかを持っていそうな感じがするしね。この子は……」

 女の子はそれを聞いて、一瞬奥歯を噛むが、それでもすぐに笑顔を作り直して返答をした。

「趣味が悪いなんて、人聞きの悪い……真っ白に髪を染めるわ、赤いカラーコンタクトなんかを付けるわ、それがカワイイとでも思っているのか? 趣味が悪いな」

 いつの間にか、当一の後ろに移動をしていたリーシアは、当一に向けてささやきかける。

「何? この陰険な女の戦いは……?」

「いきなり何を? 君は誰なんだ?」

 この状況で、リーシアの事に気づかない鈍感な当一に、腹を立てたものの、帽子を脱いで髪を見せた。

「ああ……リーシアか……」

 呑気な言いようの当一に腹を立てたが、怒りを飲み込んで答える。

「この陰険な女の戦いは、どうして起こっているの?」

「分からないな……」

 この状況の原因が、自分であると、全く気付いていない当一は、小首をかしげながら言った。

「もういいわ……あの二人には、好きにさせましょう」

 そう言い、リーシアと当一は、二人がぶつかるのを最後まで見送った。

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