ジェットコースターとリーシア。
「も……もう無理……」
腹の部分をさすりながら言う当一。
「無理って、何が?」
あれから、ジェットコースターに乗るのは十回目。当一はキツくなってきていたが、シェールはケロリとしていた。
対して、当一は腹の中を、何度も掻きまわされ、腹に嫌な感覚を覚えていた。
「吐きそう……」
当一の弱気な言葉を聞いて、ちっ……と舌打ちをするシェール。
「横になんなさい……」
そう言い、当一の体を促して座っているベンチに横になるように誘導したシェール。
その誘導通りに、体を傾けると、当一の頭の後ろに柔らかい感触があった。
「こら! 膝枕だと! そんな事を許可していないぞ!」
魔法の鏡に、思いっきり顔を近づける女の子に、それを止めるリーシア。
「その鏡は、手を触れると壊れるのよ! 座って!」
リーシアはそう言い、女の子を座らせたが、それでも、いつ飛び出していくかわからないため、横目で女の子の様子を見た。
「ちょっと待て。これじゃ……」
そう言い、当一は起き上がろうとした。だが、シェールは当一の頭を掴んでまた、自分の膝に当一の頭を乗せる。
「これじゃ……何? 恥ずかしい?」
クックック……と、笑ったシェール。当一が二度と起き上がれないようにして、シェールは当一の額を押さえた。
「まあ、気分が良くなるまでこのままでいなさい」
「これじゃ……気分がよくなる前に……」
「当一も! されるがままになってないで、もっと抵抗をしろ! 殴れ! 蹴れ! 投げ飛ばせ!」
リーシアが押さえていなければ、今にも鏡に触れそうな様子であった。
「落ち着いて!」
手で触れると、壊れてしまう魔法の鏡は、どにか死守をしなければならない。女の子が触らないようにして、押さえているリーシアは、その子に向けて言い出した。
「あの二人の場所まで行きましょうか?」
リーシアが言うと、魔法の鏡が消えてしまう。
「あ……」
リーシアと女の子は、同時にそう言った。
「どうしたんだ! いきなり消えたぞ!」
今度は、リーシアに掴みかかってくる女の子。
「分かっているわ。今、新しく鏡を作るから!」
だが、新しく鏡を作っているその最中に、声が聞こえてきた。
「リーシア……覚えておきなさい……」
その言葉の後、全身に悪寒を感じたリーシアは、体をカタカタと震わせて魔法の鏡を作る手を止めてしまった。




