遊園地といえば……
「遊園地といえば、これだとか言うけど……」
シェールは気乗りのしていない様子で言った。
「何が起こるかは見てたわ。乗って「キャーキャー」言っているだけじゃない」
ここに乗るまでに、何度もジェットコースターが動くのを見ているシェールは、どうにもつまらなそうにしていた。
カタカタ……と音をたてて、どんどん高くまで引き上げられるコースターに、今二人は座っているのだ。
つまらなそうにしているシェールの隣に座る当一は、シェールの事には構わずに、生唾を飲み込んでいた。
「どうしたの? まさか、これしきの事が怖いの?」
シェールが当一に聞くと、当一は首を縦に振った。
「ジェットコースターは苦手で……」
当一が言うと、シェールは鼻を鳴らした。
「こんなんじゃ、先が思いやられるわね。いくらドラゴンになれても、中身がこんな貧弱じゃあ」
「うるさい、下を見てみろ……」
当一が硬い顔をしいるのを見たシェールは、下に目を向けた。
「おお! すごい! こんなに高く上がるのね!」
シェールの反応は、当一が思っていたような反応ではなかった。この高さで少しぐらいは怖がると思っていたが、シェールの反応はそれを喜ぶようなものであった。
「はしゃぐな……」
当一が言うと、コースターが頂点まで上がりきり、少しずつ下降をしていった。
「来るぞ!」
「おお! これはすごい!」
当一が奥歯を噛むのに、シェ-ルの顔はどんどん面白そうにしていた。
「うわー、シェールはもうちょっと怖がったほうがカワイイのに」
魔法の鏡に写った映像を、写真に撮るリーシア。どこかの写真を撮っておかないと祥子の方からお仕置きでもされそうである。
「いいかな……」
祥子に見せる写真はこんなものでいいだろう。そう思ったリーシアはカメラを今座っているテーブルに置いた
「ふん……あんなものではしゃぐなんて、あいつの気がしれん」
椅子の上でふんぞり返りながら見る女の子。
ピリピリとした空気を、肌で感じたリーシアは、なるべく女の子の事を見ないようにして鏡を見つめた。
ジェットコースタを降りる当一とシェールの姿が、鏡に写っていた。
「もう一回いくわよ!」
無邪気な顔で、そう当一に言うシェール。当一は腹の部分を押さえながらゲッソリとしていた。




