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シェールのシュヴァリエ  作者: 岩戸 勇太
当一の家に帰って
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リーシアのお願い

「ユウエンチ……? 何よそれ?」

 リーシアからのお願いというのは、当一がシェールの事を、遊園地に誘うというものだ。

 いきなり、当一から言われたシェールは、その遊園地の入場券だという紙を、見た。

「あなたはこんを詰めすぎよ。少しぐらい遊んだほうがいいわ」

「何? その言い方? あんたが言うと、気持ちわるいわよ」

 シェールがそう当一に指摘すると、当一は顔をこわばらせた。

「リーシアからそう、シェールに言うように言われたんだ」

「自分の喋り方で喋りなさい。一言一句間違えずに言うものでもないでしょう?」

「そうだが……」

 当一としても、シェールを遊園地に誘うのは恥ずかしい。リーシアに言われて誘う事になったという事を強調して言いたいようだった。

「ユウエンチってのが、何か? が、分からないわ。そこに行くと強くなることができるの?」

「あなたならそう言うでしょうね……強くなりたいんだったらも自分の体を休ませる事も重要だっていうのは分かるでしょう?」

「だから、そういう言い方をするな!」

「俺だって、あまり言いたくないんだよ! こう言えば、リーシアの言葉だってのが伝わるかな? って思って……」

 当一は、顔を伏せながら言ってくる。

「まあいいわ。あいつが言う事だっていうなら、少しは信用をしてあげる」

「そうか……ありがとう……」

『一美だったら、こんな恥ずかしい思いはしないんだがな……』

 当一は、そう思う。

 昔からの付き合いである一美ならば、こんな思いをせずとも気兼ねなく誘う事ができたのである。

「それじゃあ、明日の十時な!」

 それ以上顔を合わせるのが恥ずかしくなった当一は、シェールの前から、逃げるようにして去って、自分の部屋へ行った。 


「これは面白い見世物ね……」

 壁越しに二人の会話を聞いていたリーシア。

 先の事を思うと、顔がニヤけっぱなしになる。

「あの二人って、両方共恋愛に疎いところだし……」

 見ている側としては、その方が楽しいものだ。どんな入れ違いや、鈍感な行動とかが見られるだろうか?

 そう思いながら、リーシアは明日の事を楽しみにしながら部屋に上がっていった。

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