シェールの考え
自分はどうなればいいのだろうか? 自分は、どんな王になればいいのだろうか?
シェールは、自分がどうなりたいか? を考えた。
ここは家の居間である。
「あのバカの事は許してやるか……」
当一の事をまだ根に持っていたシェールは言う。ダイヤモンドドールと戦うためには、当一の力が必要である。
「私はどうしたら?」
ぼうっとしながらシェールは考えた。
「エスカッションを得るには信念を持たねばならない。私だったら……」
シュヴァリエだろうか? そう、ぼんやりと考えるシェール。
騎士道とは、そもそも王に仕える騎士としての心構えである。誰か、自分が仕えるのに足ると考える事のできる者に会うことができれば、その信念は遺憾無く発揮できるだろう。
「だけど、私は自分が王になる事を目指しているの」
自分自身が王になりたい。なるために頑張ってきた。いままでの辛い修行は、そのためのものであった。
自分がさっきまで振っていた木刀を磨きながら考えても、答えは出てこない。
リーシアは籠を抱えながら家に帰ってきた。
リーシア本人よりも大きいくらいのサイズの籠をかかえながら、家のドアを潜る。
「あら、当一。今帰ったの?」
制服姿の当一がいるのを見つけると、リーシアは当一に声をかけた。
「お前もいま帰りか?」
背中に、いっぱいに薬草を詰んだ籠を背負いながら言う。
「あなた、大変ねぇ。みんなから期待をされて、私みたいな庶民にはあなたが輝いて見えるわ」
「見栄を切りたいのなら、籠をおろしてからにするべきだったな」
祥子から押し付けられた薬の材料集めを終えてきたという風情のリーシアが言っても、どうにも様にならないものを感じる。
「ねえ、あなたにお願いがあるの」
そう言うと、リーシアは当一の隣を歩き、後ろまで行って階段を登りながら言った。
「シェールのために一肌脱いでくれない?」
クスリと笑いながら言ったリーシア。
「そんな表情もできるんだな」
当一はリーシアに向けて言う。
「こんなに面白い見世物は、何度も見れるものじゃないからね……」
「何を言っているか分からないけど……」
当一は、リーシアの言い方に困惑をするが、リーシアはその答えを教える気はないらしい。
「シェールを励ましてあげて」




