当一の家に帰って
あれから、当一は、元の姿に戻った。
シェール達は、当一の部屋に戻り、この世界に戻るなり、シェールは不満げな顔をした。
「ずっとあのままでも良かったのよ。ドラゴンの方が、億倍カッコイイし、今のあんたのマヌケ面を見るのも正直しんどいの」
シェールは、帰ってくるなり当一に言った。
「おい……なんだよいき……」
そこまで言うと、リーシアが当一の口の前に手をかざした。
「言わせてあげましょう……」
そう言うリーシアは、口元をニヤつかせていた。
「何か勘違いをしているようね……」
「いえ、何も。先にお風呂に入ってきてもいいわよ」
リーシアがそう言うと、シェールは不機嫌そうにした。
「今日は当一ががんばったんだし、当一に先に入らせてあげる」
そう言い、シェールは当一の部屋から出て行った。
「まったく、面白くなってきたわね。こっちも……」
リーシアが言う。
「面白いもんか……俺はペシャンコになる所だったんだぞ」
「あなたが勝手に出て行ったんでしょう? 逃げれば良かったのに」
クスクスと笑ったリーシア。それを見て、当一が言う。
「考える前に体が動いちまってな……それだけだよ」
「まったくバカっぽい返事」
ニヤリと笑いながら言うリーシア。
「なんだ? 俺に何か言いたいのか?」
「そうね……」
そう言うと、リーシアはグイッ……と、当一に顔を近づけてきた。
当一の耳元にまで顔を持ってくると、囁くような声で言った。
「かっこよかったわよ……」
それにドキリとして、身を引く当一を見て、リーシアは、さらにクスクスと笑った。
「だらしないわね。女の子からこう言われたくらいで、ドギマギするなんて……」
そう言うと、リーシアは当一の部屋から出て行った。
「おい……どこに行くんだよ?」
「自分の部屋で、薬の増産」
そう言い、ドアの向こう側に行くリーシアの背中を見つめながら、当一は言った。
「また母さんにコキ使われているのかよ……」
リーシアの背中に、疲れの色が浮かんでいるような気がする。そう思いながら、当一はリーシアの事を見送った。




