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幕間 2

「お礼の前払いと言うか……お前に渡したいものがある」

 そう言い、彼女はポケットの中を漁りだした。

「チケット二枚だ。親からのもらい物なんだが、使う状況になくてな」

 使う予定も無いからというところだろうか? ぞんざいな扱いをされているそのチケットは、しわくちゃになっていた。

 それに彼女の気持ちを感じ取ったリーシアは、シワを伸ばしながら言った。

「こんなものを貰っていいの? その男の子と行ったら?」

 入場券を貰ったリーシアだが、そんなものを貰うのは気が引けるというものだ。

「私とあいつは、こんな浮ついた関係じゃないし、今でも学校で十分会って話をしている」

 リーシアは入場券を珍しそうにしながら、表を見て、裏を見て、日の光で透かして見て、を繰り返しながら聞いている。

「それに、自分から渡すのは……」

 話しながらも、どんどん声が小さくなっていくその子の様子を見て、合点がいったという感じでリーシアはニヤリと笑った。

「私が代わりに渡してあげましょうか? その子の事を教えてくれたら、渡してあげるのに」

「だから! 私とあいつはそんな関係じゃない! と、言っているんだ。私たちの関係は、もっと固いものなんだ」

「しょうがない子ね……」

 クスリと笑ったリーシアを見て、女の子は大きな声で言った。

「な……何かを勘違が……勘違いをしているようだから言っ……言っておくが……」

 明らかに動揺をしている女の子を見て、リーシアは顔を伏せてクスクス笑った。

「何も勘違いなんてしてないわよ……これは、私が貰うわよ。これを使って男の子と遊びに行っちゃおうかな?」

「そうだな……好きにしろ……」

 まったく気にしていない。と、いった感じで腕を組みながら顔を横に向ける女の子。

 そのあからさまな態度に、再度吹き出しそうになるリーシアは、ニヤけた表情のまま顔を上げた。

「じゃあ、私はこのお礼に、今度はよく効く生理痛の薬を……」

「だから! 違うと言っているだろう!」

 そうやって叫ぶ女の子の事を見ながら、リーシアはクスクス笑って山を下りて行った。

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