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シェールのシュヴァリエ  作者: 岩戸 勇太
エスカッション『紋章』
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レイグネンでラタと戦う。3

「今の話を聞くと、俺の分はこの白い髪の方か……悪くないぜ」

 秋成がそう言うと、シェールに向けて拳を振り下ろした。

「俺のものにする前に、ちょっとは痛い目に遭ってもらおう。俺に逆らうのが、無駄な事だっていうのを、分からないとな」

 シェールに向けて、ダイヤモンドドールの拳が打ち付けられる。

 シェールは、ダイヤモンドドールの拳に剣を向けて、拳を受けるような構えをとっていた。

「そんなんで防げるか!」

 ダイヤモンドドールの拳は止まった。

 シェールの前に当一が割って入っていたのだ。

 セイフティリングのバリアのおかげで、ダイヤモンドドールの拳を止める事ができた。

 だが、それでもうバリアはいくつものヒビが入っている。

「今度の攻撃は防げそうにないですね」

 ラタは言う。

「秋成! 少し時間を下さい!」

 それを聞くと、ダイヤモンドドールは、手を止めた。

「あなたと私の違いを教えてあげましょう」

 ラタが言うと、秋成は不満そうな声で言った。

「こいつらには、時間を割く価値がないと言っていたんじゃ?」

「興が乗ってきました。少しぐらい、いいではないですか」

 そう言いならがら、ラタは前に歩み出て行った。

「あなたは、どんな王になろうと思っているのですか?」

 ラタは剣を抜き、切っ先をシェールに向けた。

「私は心無き王になろうと考えています」

 王というのは、国の心臓である。

 心臓は、拍動をして全身に血液を送る、重要な臓器である。

「王は自分の利益のために動いてはならない。戦争や、圧政は、王が自分の利益のために国を動かした結果として起こるものです」

 だから、ラタは無欲な王になる。感情に流されず、淡々と公務をこなしていく、国家のために拍動のみをする王になろうとしているのだ。

「あなたは、どんな王になろうとしているのですか?」

 いきなり、そう聞かれたシェールは、言葉に詰まった。

「考えていないのですか? 王になるための戦いに参加をしていながら、あなたはどんな王になりたいか? と、いう展望もないのですか?」

 ラタはそう言うと、切っ先をシェールの方に向けていた剣を下ろし、鞘にしまった。

「やはり、これ以上の話は無意味ですね。秋成。やってしまってください」

 ラタがそう言うと、ダイヤモンドドールは地響きを鳴らしながら歩き、当一とシェールの前に立ちはだかった。

「逃げたほうがいいぞ。バリアが割れて即死だぜ」

 当一に向けて言うダイヤモンドドール。

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