レイグネンでラタと戦う。
「それって、本当なの?」
リーシアは周囲を警戒しながら前へと歩いて行った。
ここはレイグネン。石畳の上を、ローブ姿のリーシアと、軽鎧姿のシェールが歩いている。
周囲は見渡す限りの野原だ。当一達の腰の高さほどまである草が、道の両側に茶色い枯れ草になって立って、地面の上を敷き詰めていた。
「あいつは言っていたわ……『私のジェズルは、エスカッションになれます』って……」
それを聞き、リーシアは目を細める。
「本当だったら、勝目はないわね……」
リーシアが言う言葉に、同じようにして目を細めたシェールは、その時の事を話しだした。
ラタとシェールが出会った、あのスーパーでの事だ。
「ノエリアがドジッ子メイドかどうか? は、ともかくとしまして……」
ラタがそう言う。
ノエリアは、抗議の声を上げたそうにしていたが、ラタが手で制したため、『不本意ながら』といった感じで口をつぐんだ。
「一つ、教えておいてあげましょう」
ラタが口元をニヤリと歪めて言う。
それに、シェールは油断なくラタを見据えながら続きを聞いた。
「私のジェズルはエスカッションになれます」
シェールはそれを聞いて、呆然とした顔をした。
「そんな……あれは伝説じゃあ……?」
シェールは、エスカッションの話を聞いていた。
ジェズルが、巨大なモンスターになるという話。それは、大昔の伝説であると思われていた。そんなものが実現をするワケがない。
そう思ったシェールだが、ラタはそれを見抜いているようにして、得意げに言った。
「伝説ですか……いいですね。伝説の蘇る瞬間を目の当たりにしてください」
ラタが最後にそう言うと、ノエリアを連れてその場から去っていった。
「いきなり、とんでもないのと当たっちゃったわね……」
「どうにしろ、どこかで戦わないといけなかった敵よ……」
リーシアの言葉をシェールがたしなめた形だが、シェールの声にも、恐怖の色が浮かんでいるようである。




