一美に見つかる
一美は、友人達とデパートに買い物に来ていた。この近辺にある大きなデパートはここだけであるため、付近の人間は買い物にここを利用するのだ。
今日は、このデパートに新しいアイスの店が出来たのだというので、どういう店かを確かめに来ているのだ。
「ん……? あれは?」
「あー。一美の彼氏じゃん」
一美がこのデパートに来ている当一達を見つけ、その様子を見た一美の友人が茶々をいれた。
一美はそれを聞いて顔を赤くしたが、特に反論はしなかった。
「顔が赤くなってるよー。いつもは凛々しい一美ちゃんも、恋する乙女モードに突入?」
それを見て友人一同は、いやらしく顔をにやつかせた。一美が見たのは、当一がシェールと一緒に歩いている姿である。
「あいつは一体何をしているんだ……」
一美はそう呟いた。
当一が、一美の知らない女の子と当一が歩いているのだ。
「……私には関係のない話か……」
小さな声で、自分に言い聞かせるように言った。さっきは友人に彼氏などと呼ばれてちゃかされたが、一美は当一とはそこまでの関係ではないと考えている。
幼い頃からいつも一緒だった仲である。大きくなったら結婚をしようなどという定番の約束までし合った事もあるのだ。
一美は当一が他の女の子と一緒に歩いているところを見てしまうと、胸がざわざわと騒いでしまう。
『どうしても気になる……』
気にしないようにと考えても、一美の視線はどうしても当一達の方を向いてしまうのだ。
「行っちゃいなよ」
「別にっ! 当一の事なんか気になっていない!」
「そういう言葉が出てくるって時点でねぇ」
そう言って、友人一同は、しめしを合わせたようにくすくす笑う。
顔を赤くしている一美は言葉につまった。それに、チャンスとばかりに友人達は示しを合わせたようにして一美に背を向けた。
「それじゃ、結果報告だけよろしくねー」
「ちょっ……そんな!」
そして、一美の事をおいてけぼりにして、友人達は去っていった。




