布団の魔力
朝の空気はすがすがしく、秋の季節ともなれば、肌を切る空気の寒さが布団の中を心地よいと感じさせてくれる。
当一は、隣に布団を敷いて寝息をたてているリーシアと一緒に部屋で寝ていた。
今日が休日である当一は、心地よい布団の中で、まどろみの中に沈んでいる。時計の針が十時を回る頃になると、『いつまで寝ているの?』と言って祥子が起こしに来るのがいつものパターンである。
部屋のドアがノックされる音が聞こえてきた。
コン コン
『これで起きなきゃならないか……』
そう考えて、当一はベッドから身を起こした。
「ちょっとついてきてもらうわよ」
そこに、ドアを通してかけられてきた声は、祥子のものではなくシェールのものであった。それを聞くと、当一は布団をかぶった。
「俺は何もしていないぞ」
「何でなのよ! 私は警察か何かに見えるの!」
「ちょっと前に警察から同じような事を言われてな……」
「あんたは一体何をしたっていうのよ……」
「冤罪なんだよ、異世界の喧嘩に巻き込まれたのが運のつき」
シェールがドアを開ける音が聞こえてきた。
くだらない事を言い合いながらも、当一はシェールとは目を合わせないように頭から布団を被っている。やってきたのが祥子でなくシェールだというのなら、ごねきれば布団の中から引きずり出される事はないだろうと考えたのだ。




