この戦いのこと 2
だが、こっちの世界にはこういう言葉がある、良政は続いて二代まで。
どの国でも、最初の王は人々から賞賛される。そして、二代目は最初の王の指導があり、知識と良識を引き継ぐ。だが、三代目になると暴君になる。
最初の王は、大きな功績を残した人物だ。だからこそ、皆が自分達の上の立つ事を認めるような偉大な人物しかなれないのである。
だが、その子供と孫はそれだけの功績をあげる事も無く王の座に座ったのだ。そうなってしまうのは自然な流れなのだろう。
だから、このように戦いという苦難を乗り越えた人間を、王にすえるというのは、間違った考えとは思えなかった。
当一は、リーシアにその事を話した。
「あなた……意外と博識なのね」
目から鱗が落ちたかのような顔をしてリーシアは唸る。
「まあ、実際にバトルロワイアルをやらされる方からすれば、たまったものじゃないんだけどね」
紅茶を飲み干し、ローテーブルに置いた後、リーシアは続けて質問をした。
「あなたは、エスカッションになれるの?」
「エスカッションっていうのは何だ?」
「あら、なれないのね……」そう残念そうに言うリーシアは、続けて言った。
「ジェズルの中には、モンスターになる事のできる者がいるの。グリフォンとか……ギガースとか……」
「そんなものにはなれないな……」
当一は、あまり深くエスカッションの事を聞こうとは思わなかった。そんなものを信じる事ができなかったというのもある。ジェズルはこの世界の人間の中から選ばれるのだ。この世界にモンスターになる事のできる人間などいないはずである。
リーシアにとっても、あまり興味のある話題でも無かったようである。
「元々、眉唾ものの話だし、そう期待をしてもいなかったわよ」
と言って、新しい紅茶を淹れるために席を立った。




