次の日
その日のレイグネンの探索では、他の候補者との遭遇は無かった。
そのため、何の成果もなしに三人は当一の家に帰ってきた。
「まあ、こういう日もあるわよ。私はお風呂に入ってくるわ。二人はいつもみたいに仲良くしていてね」
リーシアと当一は、あれから一緒にいる事が多い。シェールはその事を野次って言った。
「意地を張っていないでそっちから頼んできたら? 『仲間に入れてください』って」
リーシアの嫌味に鼻を鳴らしたシェールは、黙って部屋を出て行った。
「本当に石頭ね」
そう言ってくすくす笑ったリーシアは、当一に視線を向けた。
「何か聞きたいことがある?」
当一は、レイグネンで出会ったラタが二人の事を知っているのが気になっていた。リーシアに聞くと、短く嘆息して答える。
「ああ……そりゃ、有名にもなるわ。師匠に決闘を申し込んで倒したり、師匠を毒殺したり……」
そして、リーシアは部屋を出て行く。
「長話になるから、紅茶の用意をしてくるわ」
そして、リーシアは紅茶を淹れて戻ってきた。
「いい葉っぱが無いわね。祥子さんに頼めないかしら?」
紅茶をすすりながらリーシアはそう言った。今は、当一の部屋のローテーブルを二人で挟んで、向かい合って座っている状態だ。
舌をしめらせる程度に紅茶を飲んだリーシアは、本題に移る。
「この戦いの詳細を、あなたにも話しておくわ」
この王を巡る戦いは、レイグネンでは伝統的な行事なのだという。
王が崩御をすると、この戦いが開催される事が決まる。
崩御をした年に生まれた子供を次の王にするというしきたりがあり、シェールもリーシアも、さっき戦ったラタとノエリアもその年の生まれなのだという。
「王の崩御の後、一時的に国政は王の一族が請け負うことになるわ」
生まれた時から、王になる可能性を持たれた子供達は、それぞれがそれぞれの家で英才教育を施され、王の器にふさわしい人間へと育てられる。




