ラタの試練
「あなたも参加者ならば感じるはずです」
ラタが言う。周囲に一つのジェズルの反応が見えた。
「その参加者を倒してください」
「しかし……私の力は一対一に向くものではなく……」
「どうせ、相手は学校出です」
この戦いに向けて、学校が作られている。この戦いの参加者の中でも、多くの者はその学校で腕を磨いてこの戦いに参加しているのだという。
「私達はその学校出よりも何倍も上の英才教育を受けているんです。本当の敵はそういった『本気』で戦いに参加をしている者達です」
だがラタはその学校には通っていない。
家で、何人もの専属の教師を付けられ、学校の人間よりも何倍もの練習を積んでいる。
それについてはシェールやリーシアも同じである。
そして、参加者の隣に立って一緒に戦うために教育を受けてきたノエリアも同様だろう。
「法術が戦闘に向かないのは百の承知です。ですが、それでもある程度の力を持っていなければ私も認めません」
ラタがノエリアに宣告をした。ノエリアは固唾を飲む。
ラタは街に向かっていった。それに続いてノエリアも行く。
ノエリアは、参加者がどのような敵かを想像した。街の中の反応はジェズルのものである。参加者の事など分かりはしない。
「すぐに力を見せてみせますわ」
ラタにそう言った。ラタはノエリアの事を一度振り向いて頷いた。
ノエリアは、今すぐにでも敵と戦うつもりでいる。だが、ラタの向かう先がジェズルの方向とは少しずれていた。
それを疑問に感じながらも、何の説明もなしに足を進めるラタについていく。そうすると、ラタはレストランに入っていった。
「あの……すぐに敵と戦うのではないのですか?」
「腹が減っては戦はできません」
ノエリアに、戦いの前の腹ごしらえをさせようというのだろう。




