勝利
「それもシュヴァリエの精神かしら? 敵とは一対一で戦わなければならないの?」
「シュヴァリエなんて関係ないわ。あなたは私が倒さなきゃならないの」
満身創痍でシェールはリーシアに剣を向けた。だが、それはリーシアにとって有利な条件だというわけではない。リーシアも、召喚魔法を連続で使って精神力をほとんど使ってしまっている。低級魔法を数回使える程度の力しか残っていない。
精神力は、時間があれば少しずつ回復する。時間を与えてはならないと考え、シェールはリーシアに向けて突進をしていった。
その突進に合わせてリーシアが魔法を使った。氷で作られた壁が現れ、シェールとリーシアの間を阻んだ。
だが、シェールは突進の勢いを落とさずに、氷の壁に体当たりをしていった。
氷の壁はシェールの体当たりで粉々に崩れ、リーシアからは、氷の破片と一緒にシェールが飛び出してくる様が確認できた。
シェールは、リーシアに向けて剣を振り上げる。そこで、リーシアは次の魔法を使った。
リーシアが次の魔法を使うと、当一を閉じ込めていたような球がリーシアを包んだ。シェールの斬撃は、その球に阻まれてはね返される。
シェールはかまえを変え、剣を突き出した。
斬撃は、はね返されたが、シェールの突きは球にふかぶかと刺さり、リーシアの顔の真横を通った剣が、リーシアの髪を散らした。
それもかまわず、リーシアは次の魔法を唱える。
貫通力を持った雷が、真っ直ぐにシェールを襲った。その勢いで、後ろに飛ばされたシェールだが、すぐに立ち上がってリーシアに向かって突っ込んだ。
リーシアは使い魔のワシを使って飛び上がっていった。ワシはシェールの剣の届かない高さにまで飛び上がり、シェールに背中を見せて、飛び去っていこうとする。
「簡単な魔法なら、私だって使えるのよ!」
シェールは魔法を唱えた。
土がいきなり隆起して、土嚢のようになった。これは、最初にリーシアが当一を襲ったときに使った魔法である。
シェールはアースウォールを踏み台にして飛び上がり、逃げるリーシアのワシを剣で叩き落した。
ワシは地面に落下し、リーシアも地面に叩き落された。
そして、叩き落されたリーシアに剣が突きつけられる。
「降参しなさい」
剣を突きつけたシェールが、リーシアにそう宣告した。




