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弱気な心

 それから話は自分の予想通りの方向には向かわなかった。私が犯した罪は秘匿されるように、親が動いたのだ。

 私は自室で謹慎を言い渡され、それに素直に従った。それで、外の事情には疎くなった。

 自分は一体外ではどのように言われているのだろうか? そう一瞬思ったが、そんな事はどうでもいいと思い直す。謹慎中は何度もそんな無駄な考えが頭を過ぎったのだ。

 数日間自室で謹慎をしていると、父が部屋に入ってきた。

「あの話はもみ消した。お前もあの事は忘れるんだ」

「誰も知らないんですか? お父様」

「誰も知らないわけではない」

 父はそう言い、そそくさと部屋を出て行った。やはり、一部の人間はこの事を知ってしまったようである。シェールも、その一部の人間に入っているだろう。

 シェールにはいずれ会う事になる。本来なら私はシェールと顔を合わせたがらないものであろう。だが、私は狙ってシェールを避けるような事はしなかった。

 何を言われてもかまわない。それが本心である

 ただ、投げやりな気分になっていただけだ。

 その時はすぐにやってきた。貴族の間で行われる、特に中身の無い定例パーティーで顔を合わせる事になったのだ。

 シェールは、私の事を見つけると、自分から私のところにやってきた。そして、私に詰め寄ってこういい始めた。

「そんな、こそこそした方法しかできなかったの? それが、あなたにとって最善の方法だったの?あなたはそれで納得できたの?」

 シェールは私の事を責め立てた。私の中に、弱気な心があった。ヴィッツに正面から立ち向かっても勝てないという、思いがあった。

 その弱気な心が、私をこの卑怯な方法を納得するように後押しをしたのだ。

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