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朝の様子
第二 昔の友人
当一は、学校に行くために家を出る。自転車を置いてある玄関横の車庫まで移動しようとしてるところに、剣が風を切る音を聞いた。
ヒュン……ヒュン……
小気味いい音を聞き、それにつられて自分の家の庭にまで行ってみると、シェールが庭で素振りをしていた。
「何の用?」
シェールは当一に視線も向けず、素振りの手も止めずに言った。
「危ないから近づかないで」
拒絶の意思を体全体で表現している彼女。
「昨日の事をまだ怒っているのか?」
「何も怒ってなんかいないわよ」
「昨日は結局一睡もしてないんだろう?」
「あんたが気にする事じゃないわ」
当一は、次に何と声をかけていいか分からない。どのような言葉を投げかけても拒絶の意思の篭った言葉で叩き落される感覚だ。
「あんたの通っている学校の場所は分かっているし、あんたとは鍛え方が違うの。私の心配なんて必要ないわ」
次の行動に出ようとしても釘を刺される。
「そうか……体に気をつけろな」
「心配なんか必要ないと言ったはずよ」
またしても、言葉を叩き落された。
彼女は心に壁を作っている。その原因は、あの出来事のみではないと思える。
当一は、シェールにどうしてやる事ができるだろうか?
このような様子では、この先彼女の体はもたないであろう。当一にはそれが心配だった。




