気の重いオオルリ
その日の夕方、一美が家に帰ると同時に、レイグネンに向かったオオルリと一美。
朝と同じ場所に行くと、そこにはサナミが腕を組んで待っていた。
「よう来てくれたな。朝の続きをしよか」
サナミが言うのに、オオルリは唇を引き結んだ。朝の続きというと、やはりまたコスプレをするのだろう。
気が重くなる感じを感じたオオルリは、サナミが持ってきた衣装を手に取った。
巫女姿になったオオルリ。それだけでも、随分顔から火が出るような思いをした。サナミはそれをハンディカメラを使って撮影をする。
「これに、一体何の意味があるんすか……?」
サナミは、ニヤリと笑って答える。
「重大な意味があるねん。最後で全部教えたる」
何か含みを持っているような言い方で言うサナミ。
「まあ、後で分かるなら……」
オオルリはその言葉を信じて撮影を続けた。
それから、サナミの指示で、次々と衣装を変えていくオオルリ。
猫耳のヘアバンドを付けて「ニャンニャン……」などと言わされている時には、怒りで歯を噛み締めた。
それを、目のやり場にこまっている感じで、オオルリの方から目をそらしている一美の事を見て、さらに悔しさが増していった。
「なあ、王の座をめぐる戦いというのは、こういうものなのか……」
猫耳姿のオオルリに向けて、一美が聞いてきた。
「戦いであるのには違いないっす。だけど、これはかなり特殊な例っす」
全部が終われば、サナミがオオルリの軍門に下るという言葉を信じ、ひたすらに理由の分からない撮影会が続く。
「次はなぁ……これにするで!」
そう言ってサナミは新しい服を荷物の中から取り出した。
「看護婦っすか……」
まだ終わらないっすか……
オオルリはそう考えつつも、従順にサナミの言葉に従う。
またこれを着て撮影をされるのだと思うと、頭が痛くなってくるぐらいに、重い気持ちになった。




