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オオルリと一緒に
その子の名前は、オオルリと言うらしい。
異世界からやってきた人間で、その異世界では、今、王の座をめぐっての争いの最中らしい。その戦いに一美の力が必要だというのだ。
「信じがたい話だな……」
「話すよりも、実際に行ってみるのが一番っすよ。こんな話を信じてくれる人なんて、普通はいないもんで」
オオルリが言うと、一美の足元に大きな魔法陣が現れた。そして、足がその魔法陣の中に沈んでいく。
その状況で一美は、じっ……と、オオルリの方を見ながら魔法陣に身を任せていった。
「大した胆力っすね。始めての召喚魔法は、ほとんどの人が目を回すって話っすのに」
見知らぬ土地に、連れてこられた一美だが、それほど動揺をしていなかった。オオルリの事も気にせずに、顔を巡らせた。
「日本とは思えない場所だな」
周囲は見渡す限りの草原。石畳でできた街道は、不揃いな石を並べただけの道で、一美からしたら、デコボコした道だ。
まるで、中世のヨーロッパにタイムスリップしたような様子だ。
「私達は、この世界をレイグネンと呼んでいるっす」
そう言い、オオルリは街道を歩いていった。
「私達が、どんな戦いをしているのか? っていうのを見せてみせるっす」
オオルリが街道を先にむけて進んでいく。それに一美がついていった。




