死者カウント999
はじめまして、死神くんと申します
たまに短編を出すので良かったら見て下さい
もしかしたら長編を出す…かも?
ここは冥界、なのだが実際に見てみると想像とは全く違う。
俺の名前は吉良正則。交通事故で亡くなったのだが…なぜかこの謎の階段の目の前にいた。
「んだよここ…」
謎の階段は透明だが、少し緑色だ。そしてなぜ冥界とわかるか。それはこの先冥界という看板が置いてあるからである。馬鹿正直なのが逆に面白い。そんなことを考えていると目の前からロングヘアで黒いフードを被った美少女がこちらへ来た。おそらく高校2年生くらいだろう。
「こんにちは。私は死神です。わかっているでしょうけど…ここは冥界です」
「看板があるもんな。なんでこんなにわかりやすく書いてあるんだよ」
「死者がパニックにならない為ですよ」
「ほいですか」
俺は謎すぎる返事をした。
「とりあえずですね、貴方にはここを通ってくる死者の数をカウントしてもらいます」
「は?なんでだよ」
「何でって…そういう法律なんです。冥界法律第678条『死者は階段を上ってくる死者を1000までカウントしなければならない』という法律がありますから」
死神と名乗る人物は京極夏彦さんの小説くらい分厚い鈍器のような本をパラパラとめくっている。もしかしたらそれよりも分厚いのかもしれない。
「それにこの死者カウントは一つメリットがあります。それは…」
「それは?」
俺はごくりと唾をのんだ。だが、それは俺の想像の斜め上を行く言葉だった。
「下級死神になれるという事です」
「は?それのどこがメリットなんだよ」
「死神にならなかったら真っ暗闇の空間に一人ポツンですよ?」
「なります」
俺は即答した。真っ暗闇に一人ポツンだったら死神になった方がましだ。
「でしたら死者カウントが1000に行くまでに何か功績を残して下さい」
「やってやんよ!!!」
俺は何も考えずに言ってしまった。功績を残すって…具体的に何すればいいんだよ!と心の中で叫んだ。
「それじゃあ、また逢う日まで」
すると死神を名乗る美少女はどこかへ行ってしまった。
「はぁ…やるしかないか」
俺は即答した事と何も考えずに「やってやんよ!!!」と言ったことを今更後悔しながら用意された椅子に座った。
そしてそれから月日が経ち…現在、999人だ。
「やべぇ…」
思わず口に出してしまった。だが、これでは本当の意味でお先真っ暗だ。そして1,000人目の死者が来た。
「ん?」
俺はすぐに違和感を覚えた。階段を上ってこないのだ。
「あのー…目が見えないのなら俺が案内しますよ?」
そう言うとその死者は静かにうなずいた。
「ではこちらへ」
俺はその死者の手をひっぱり、階段を登り切った。
「それじゃあまた」
するとファンファーレのような音が鳴り響いた。そしてアナウンスのような放送が鳴った。
『えー、死者No357302571吉良正則さん!貴方は下級死神へ昇格しました!功績は普通、階段を上れない人を上らせた事です!』
俺はその放送を聞いてしばらく唖然とした後、飛び跳ねた。
「よっしゃああああ!!!!!」
声が枯れるまで叫んだ。俺の死者カウント生活はここで幕を閉じた。
これがデビュー作となります
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