第五話 親友とデート!?②
買い物を終え、時刻は二時過ぎ。
帰るには、まだ少し早かった。
「カフェでも寄ってくか?」
『そうするか。さすがに今帰るのはもったいないしな』
スマホのマップで適当に検索し、良さげなカフェを見つける。
少し歩くことになったが、時間を持て余している僕たちには、むしろ好都合だった。
十五分ほど歩き、カフェに到着する。
店内は人でそこそこ賑わっていた。
僕と葵は、とりあえずコーヒーを一杯ずつ頼み、飲みながら雑談に入る。
『あ〜、にしても今日はいい買い物したな〜』
「だな。まあ、これでしばらくは安心だろ」
『なんか、こうして二人で出かけてると……デートみたいだな』
「まあな〜。周りから見たら、絶対そう思われてるよな〜……ったく、俺らは全然そういうのじゃないんだがな」
『っ……ああ、そうだよな』
「コーヒー飲めよ。冷めるぞ〜」
『ああ、すまん』
「にしても最近、お前とやり始めたこのゲーム。ここのボス、めちゃくちゃ強くないか? 俺なんか何回やっても……」
……そのまま他愛のない会話を続け、気づけば時刻は午後三時半を回っていた。
「そろそろ帰るか。お前も明日忙しいだろうし」
『だな』
僕たちは駅へ向かい、四時頃に到着する。
今から一番早い電車は、四時三十分過ぎに出発するようで、少し待つことになった。
やがて電車がやってくる。
僕たちはそれに乗り込み、空いている車内で隣り合って座る。
電車に揺られる。
背中に当たる、少しずつ傾いていく太陽の光が妙に心地よい。
僕は、だんだんと強くなる眠気を感じていた。
……しかし、それは肩に感じる不自然な感覚によって、完全に消え失せた。
僕の右肩に、何かが当たっている。
見ると、そこには葵の頭があった。
葵が、僕の右肩に寄りかかる形で眠っている。
「葵……?」
反応はない。
僕は無意識のうちに、葵の頭を二回、軽くポンポンと叩き、手を戻す。
しかし数秒後、葵は僕の手を引っ張り、自分の頭の上へと置いた。
『……寝れないだけだから』
「ったく、しょうがないな」
僕は、まるで幼児を寝かしつけるかのように、一定のリズムで優しく葵の頭を叩く。
「あんま、俺以外の男にそういうことやるなよ〜。勘違いされるから」
『勘違いって……お前が言うかよ』
「どういうことだよ」
『いや、なんでもない』
こうして、僕と葵のちょっとした旅は、終わりを迎えた。




