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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第9章 俺、料理を手伝います
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俺、料理を手伝います6 ~悲劇の食卓~

陸玖と理沙のゲームの音を背中に、私は恵理と共に海美先輩の料理と格闘していた。しかし、私たちの奮闘は報われるどころか、事態は悪化する一方だった。

「ねえ、恵理。海美先輩って、本当に料理できないんだね」

私がそう言うと、恵理は力なく頷いた。

「うん……まさか、ここまですごいとは、私も思ってなかった……」

私たちの目の前には、完成したばかりのカレーライスとサラダがテーブルに並べられていた。しかし、その見た目はとてもカレーライスとサラダとは言えなかった。カレーは水分が少なく、まるで粘土のようだったし、サラダはドレッシングをかけすぎて、もはや何かのスープと化していた。

「あー、そうだ! 卵焼きも作ろうと思ってたのに、卵がないわ!」

海美先輩が、冷蔵庫を開けてそう叫んだ。

「先輩、さっきゆで卵を作るのに、全部使っちゃいましたよ?」

恵理が呆れたように答えると、海美先輩は「あら、そうだったかしら?」ととぼけてしまった。

私は、電子レンジの中に何かあるような気がして、ふと目を向けた。すると、そこには、たくさんの卵が入れられていた。

「ま、まずい……!」

私の表情は、これ以上ないほど真っ青になった。転生前の知識が、私の脳裏をよぎる。電子レンジで卵を温めてはいけない。絶対に。

私が海美先輩に声をかけようとした、その瞬間。


ドォーン!!


電子レンジは、耳をつんざくような大爆発音と共に、その扉を大きく開けた。

爆風は、キッチンからリビングにまで及んだ。そして、テーブルの上に置かれてあったカレーライスとサラダは、全て空中に舞い上がり、床に散らばってしまった。

「あああああ! 私のカレーがぁぁぁぁ!!」

海美先輩は、床に散らばったカレーを見て、悲鳴を上げた。私も恵理も、何が起きたのか理解できず、ただただ立ち尽くすしかなかった。


耳をつんざくような爆発音に、陸玖と理沙が慌ててキッチンに駆け込んできた。

「何が起きたんだ!?」

陸玖の焦った声が響く。キッチンは、爆発によって飛び散ったカレーのルーや野菜のかけらで、ひどい有様になっていた。壁や天井には、黄色いシミが点々と広がっている。床は、もはや足の踏み場もない。

「ご、ごめんなさい……ごめんなさい……」

海美先輩は、床に散らばった料理を見て、その場にうずくまって泣き出してしまった。彼女の肩が小刻みに震えている。

「姉さん、大丈夫だよ。気にしないで」

陸玖が駆け寄り、海美先輩の肩を抱きしめる。陸玖の優しい声に、私の胸は再び締め付けられるような気持ちになった。

「本当に、ごめん。みんなのために夕飯を作ろうと思ったのに……」

海美先輩は、泣きながらそう言った。その言葉に、私は何も言えなかった。海美先輩は、本当に私たちのためを思って料理を作ろうとしてくれたのだ。ただ、そのやり方が間違っていただけで……。

「とりあえず、みんなで片付けようか」

陸玖の言葉で、私たちはキッチンの後片付けを始めた。食器の破片を拾い、床を拭き、壁のシミを落とす。しかし、いくら拭いても、カレーのシミはなかなか落ちない。

「本当に、ごめんね。こんなことになってしまって」

陸玖が私と恵理、そして理沙に頭を下げた。

「気にしないで、陸玖。私たちが勝手に手伝いを申し出たんだから」

「そうそう! 料理は失敗して当たり前だよ!」

私と恵理は、明るく陸玖を励ました。

その時、恵理が海美先輩のところに駆け寄った。海美先輩は、相変わらずしょんぼりとした様子で、床を拭いている。

「先輩、大丈夫ですよ! 料理は、失敗から学ぶものですから!」

恵理の言葉に、海美先輩は顔を上げた。

「でも、私……みんなより年上なのに、こんなダメなところを見せちゃって……」

そう言うと、海美先輩はまた泣き出してしまった。その姿は、まるで小さな子供のようだ。

「そんなことないですよ! 人間誰しも、ダメなところはありますから!」

恵理の言葉に、海美先輩は少しだけ顔を上げた。

「それに、先輩は水泳部のエースで、みんなの憧れじゃないですか! 私たちだって、先輩にはたくさん助けられてるんですよ!」

恵理の言葉に、海美先輩は「ありがとう……」と、涙を流しながらも、微笑んだ。

私たちは、再び片付けを始めた。陸玖も、理沙も、海美先輩も、みんなで協力して、ひたすら汚れたキッチンを拭いていく。

片付けが終わったのは、夜の9時を過ぎていた。

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