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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第8章 俺、思い出を見つけました
78/100

俺、思い出を見つけました6 ~合宿2日目~

合宿2日目。目を覚ますと、カーテンの隙間から差し込む光は、昨日までのような明るさはなく、どんよりとした曇り空が広がっていた。天気予報では、今日から雨が降りやすくなるとのこと。なんだか、私の心境を表しているみたいだ。


体育館では、朝の8時からすでに練習が始まっていた。レオタードに着替え、ストレッチを始める。体を動かしているのに、昨夜の出来事が頭から離れない。夢の中で見たあの老人と、廃校になった小学校。そして、恵理との会話。あれは本当に夢だったのだろうか。それとも、何かのメッセージだったのか。

「怜奈!」

私の思考は、頭に響いた「パンッ!」という小気味良い音と、麻衣子先輩の声によって遮られた。

「いたたたっ!」

頭をさすりながら麻衣子先輩を見ると、彼女は手にしたハリセンを軽く叩き、不気味な笑みを浮かべている。

そして、麻衣子先輩がチラリと辺りを見回すと、ニヤニヤと不気味な顔をしながら私の顔に近づけてきた。

「あんたがぼーっとしてる間にね、また陸玖があんたのレオタード姿を撮影し始めたわよ」

その言葉を聞いた瞬間、背筋に凄まじい悪寒が走った。まさか、あの陸玖が! 慌てて陸玖の姿を探すと、体育館の隅で、カメラを構えた陸玖がこっそり私を撮影しているのが見えた。

私が視線に気づいた瞬間、陸玖は「ひっ!」と声を漏らし、慌てて柱の影に隠れた。その必死な様子に、恥ずかしさと、どこへぶつければいいのかわからない怒りが込み上げてきた。

「陸玖ぅぅぅぅぅ!!」

私の怒声が体育館に響き渡った。その後、陸玖は身を縮こませながら、柱の影から出てこようとしない。

だが、その怒声は他の部員たちの知るところとなってしまった。なんてことだ!

「ねえ、怜奈ちゃん、やっぱり陸玖くんと仲が良いんだね」

「もしかしたら、そのままゴールインしちゃうのかな」

休憩中の部員が、私をちらりと見て、ヒソヒソ話を始めてしまう。私は急に恥ずかしくなってしまい、逃げ出すように体育館の外に足を運ぶのであった。


外の空気は澄んでいて、とても清々しい。深く深呼吸をした後、私は大きくため息をついた。陸玖の隠し撮りに疲れてしまったのもあるけれど、そんなことよりもむしろ、昨夜の夢のせいで、なんだか落ち着かない。

「怜奈?」

不意に声をかけられ、振り返るとそこにいたのは恵理だった。彼女はプールでの練習を終えたばかりなのか、ぴったりとした競泳水着姿だ。

「恵理、そんな格好で外に出てきて、恥ずかしくないの?」

思わずそう聞くと、恵理はふふっと笑って私のレオタード姿に目をやった。

「怜奈だって、陸玖にまた撮られるかもよ?レオタード姿、結構きわどいんだから」

また陸玖の名前を出され、私は軽く眉間に皺を寄せた。恵理は私の反応を見て、くすくすと笑っている。

「ねえ、恵理。昨日のことなんだけど……」

私は昨夜の夢と、その中で思い出しかけた老人の正体について、改めて恵理に話した。あの廃校と、そこで会った老人。夢の中で、私はあの老人のことを思い出したのだ。

「何か、すごく大切なことを思い出せそうな気がするんだ」

私の真剣な眼差しに、恵理の表情も少しだけ真面になった。

「うーん、でも怜奈。ちょっと用心した方がいいかもしれないよ」

恵理の言葉に、私は首を傾げる。

「どういうこと?」

「なんかね、顧問の先生が、昨日の夜、誰かが森林の中に入っていくところを見かけちゃったらしいの」

恵理の言葉に、私の心臓がドクンと音を立てた。それはきっと、私だ。

「まだ誰なのかまでは知らないそうだけど、それでも行くの?」

怒られることを覚悟しても、私はもう一度あの場所に行きたいという気持ちが強く込み上げてきた。

私の決意を察したのか、恵理は少し考えるような素振りを見せた後、にやりと笑った。

「よし、いいこと考えた!」

恵理の顔には、何か企んでいるような、いたずらっぽい表情が浮かんでいる。一体何を思いついたのだろうか。

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