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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第8章 俺、思い出を見つけました
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俺、思い出を見つけました3 ~気になるあいつ~

更衣室を出て、練習場に入ると、すでに他の部員たちが集合していた。みんな、レオタード姿(幸か不幸か、体操部には男性部員がいない)で、これから始まる練習に向けて準備運動をしている。私も急いで合流し、輪の中に入った。

練習は、まずは入念なストレッチと簡単な筋力トレーニングから始まった。普段からやっていることだけど、こうして仲間と一緒にやると、より一層身が引き締まる。体をしっかり温めてほぐした後は、いよいよ各々が練習メニューをこなしていく時間だ。

私は、平均台、床運動、段違い平行棒、跳馬と、あらゆる種目の練習に取り組んだ。特に床運動は、前世での知識が活かせる場面もあって、なかなか楽しい。格闘ゲームの技を応用できないかと試行錯誤するのも、また一興だ。集中して体を動かしていると、余計なことを考える暇もなくなる。時間が経つのもあっという間だった。


休憩時間は、各自の判断で時間を決めて取ってよいこととされている。私もそれに従い、汗を拭きながら休憩を取ることにした。

ふと周囲を見渡すと、陸玖の姿が見当たらない。いつもなら、練習中に写真を撮りに来たり、休憩中にやたらと話しかけてくるはずなのに。彼は、私のことを「被写体」とか言って、やたらと写真を撮りたがる。正直、私にとってはストーカーまがいの行動で、迷惑でしかないんだけど。

「あ~ら、怜奈ちゃん。陸玖くんの姿が見えなくて、寂しいの?」

隣で休んでいた麻衣子先輩が、ニヤニヤしながら私に話しかけてきた。

「まさか! ぜんっぜん寂しくないです!」

食い気味に否定すると、麻衣子先輩はさらにニヤニヤを深める。

「ふーん。まあ、陸玖くんなら水泳部の方でこき使われてるんじゃない? あっちには、海美お姉ちゃんがいるからねぇ」

麻衣子先輩の言葉に、私は思わず想像してしまった。水泳部の鬼姉である海美先輩に、陸玖がこき使われている姿を。きっと、写真を撮るどころじゃないくらい、パシリにされているに違いない。その光景を想像したら、なんだか急に面白くなってきて、私は「ぷっ」と吹き出してしまった。

「ほーら。やっぱり陸玖のこと、気になって仕方ないんじゃろ?」

咲良先輩が、隣からニヤリとしながら私をからかう。

「気になってる…というか、気になっているだけ、です!」

我ながら苦しい言い訳だ。自分で言っておきながら、なんか違う気がする。確かに、ちょっとは気になった。でも、それはストーカーまがいな行動が一時的に収まっていることに安心したのと、こき使われている姿を想像して笑ってしまったからであって、断じて恋愛的な意味じゃない。そうじゃないんだけど……でも、なんだかモヤモヤする。

「もうっ! 休憩終わり!」

私は、このモヤモヤを振り払うかのように、再び練習に戻っていった。

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