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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第7章 俺、お姉ちゃんになりました
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俺、お姉ちゃんになりました2 ~陸玖の災難~

「そしたら急に『怜奈お姉ちゃん!』って駆け寄ってきて。全然誰だか分かんないでしょ、普通!」

部活の練習中、私は咲良先輩と麻衣子先輩に、先ほどの出来事を話していた。体操部の練習場は、今日も蒸し暑い。床に座り込み、ストレッチをしながら愚痴をこぼす私に、咲良は「へぇー」と相槌を打っている。

「それで、その子が怜奈の従姉妹じゃったんじゃねぇ。世間は狭いもんじゃ」

いや、世間が狭いっていうか、私の記憶が欠落してるだけなんだけど……。

壁際では、陸玖が必死の形相で理沙を追い払おうとしていた。理沙は、陸玖が大切そうに抱えている一眼レフカメラに興味津々で、きらきらした目でレンズを覗き込んだり、小さな指でシャッターを触ろうとしたりしている。

「やめてください! これは僕の命より大事なカメラなんですから!」

「ねえそのカメラカッコいいね! キヤノン? ニコン?」

陸玖の悲鳴にも近い叫びが響くが、理沙は全くひるむ様子がない。むしろ、陸玖が慌てれば慌てるほど面白がっているかのようだ。

おかげで、今日は陸玖が私を隠し撮りするどころではなくなり、私は心置きなく練習に集中できていた。それはそれで非常に助かるのだが、正直なところ、新たな頭痛の種が増えた気分だ。

「まさか、夏休み初日からこんな面倒事に巻き込まれるとは。これから毎日、この子が学校にいるって考えたら、もう胃がキリキリしますよ」

「あらあら、お姉ちゃん、ご苦労様ねぇ」

麻衣子先輩がニヤニヤしながら私をからかう。咲良先輩は、理沙と陸玖の攻防を眺めながら、何かを企んでいるような顔をしていた。

「しかし、その理沙ちゃん、ええ体しとるのぅ。うちの部でスカウトしてみるか?」

「咲良、そういうのを、拉致って言うのよ。」

麻衣子先輩が冷静に突っ込む。咲良先輩は「むぅ」と唇を尖らせた。

「でも、理沙は陸上部の先輩にこの学校を紹介されたって言ってたから、多分陸上部に入ると思いますよ。あの子、結構足速そうだし」

私の言葉に、咲良先輩は少し残念そうな顔をした。

「そっかぁ。残念じゃのぅ」


その時、練習場の入り口から、理沙の大声が響いた。

「お姉ちゃーん! 練習終わった? 私、一緒に帰りたーい!」

陸玖の腕を掴んでいた理沙が、私に向かって手を振っている。陸玖は解放されたことに安堵したのか、床にへたり込んでいた。

「あら~、お姉ちゃん、頑張ってねぇ」

麻衣子先輩がまた、からかい半分で私に声をかける。私は大きくため息をついた。これからどうなることやら、前途多難すぎだ。

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