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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第6章 俺、勉強を教えます
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俺、勉強を教えます6 ~恵理の英語講座~

更衣室で海美から陸玖の学習特性を聞き、恵理が協力してくれることになった。これで少しは光明が見えた気がする。二人で更衣室を出ると、校門にはすでに陸玖が待っていた。彼の顔には、どこか不安と期待が入り混じったような表情が浮かんでいる。

「陸玖、悪いんだけど、家じゃなくて近くのカフェに行こう。海美先輩が、家だと集中できないって言ってたから」

私がそう言うと、陸玖は「はい!」と元気よく返事をした。姉の言うことには素直に従うあたり、やはり弟なんだなと、妙に感心してしまう。

学校から徒歩5分ほどの場所にある、こじんまりとしたカフェ。店内は落ち着いた雰囲気で、勉強するにもちょうど良さそうだ。私たちは窓際の席に陣取った。

「さて、じゃあ早速だけど、まずは英語から始めようか」

恵理がそう言って、自分のカバンから一冊の簡単な英文解釈のテキストを取り出した。やはり転生組、準備が良い。俺は陸玖に渡した鉄壁会の単語帳を思い出し、少し申し訳ない気持ちになった。

「陸玖くん、この文を訳してみてくれる?」

恵理が優しくテキストを指差す。陸玖はテキストを見つめ、唸りながらも、なんとか知っている単語を繋ぎ合わせようと奮闘している。しかし、その訳はやはりめちゃくちゃだった。

「だよねー。じゃあ、まずこの文の構造を見てみようか」

恵理は陸玖の解答を否定することなく、まずは文の構造から丁寧に解説し始めた。

「英語ってさ、日本語と語順が全然違うから、そこを理解するのが大事なんだよ。これはSVOって言ってね、主語(S)が動詞(V)して、目的語(O)に働きかけるっていう形なんだ」

そう言って、恵理は文のどこがSでVでOなのか、ペンで線を引きながら解説していく。その説明は、非常に分かりやすく、論理的だった。

「なるほど……!」

陸玖は、恵理の解説を聞きながら、真剣な表情で頷いている。その理解していく様子は、まさに「目で見て理解する」という彼の特性に合っているようにも見えた。

「じゃあ、この部分ね。ここが動詞だから、これをどう訳すか。そして、動詞の後ろに来るのが目的語。これが何を指しているのかを考えながら訳すと、もっと自然な日本語になるよ」

恵理はさらに深掘りして、訳し方のコツを教えていく。陸玖の顔には、次第に「分かった!」というような表情が浮かび始めた。

「すごい! なんか、ちょっとわかった気がします!」

陸玖が嬉しそうに言うと、恵理も満足げに微笑んだ。

隣で二人のやり取りを見ていた私は、恵理の教え方の上手さに感心せざるを得なかった。複雑な文法も、恵理の丁寧な解説と、視覚的なアプローチで、陸玖は着実に理解を深めているように見える。私も前世で、こんな風に教えてくれる英語の先生に出会いたかったな、と心底思った。

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