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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第5章 俺、星座を占います
50/100

俺、星座を占います7 ~蟹座の襲来~

金運は良いのに、何も買えず、何も食べられず。こんなに空しい「金運が良い日」があるだろうか。がっくりと肩を落とし、恵理と私は重い足取りで家路についた。

「はぁ……もう今日は、大人しく家でゲームしよっか……」

私がそう呟いた時、どこからか「カシャッ!」というシャッター音が聞こえた。思わず恵理と顔を見合わせ、音のした方を振り返る。

そこに立っていたのは、陸玖だった。お気に入りの一眼レフカメラを携え、まさに私たちの方に向けてレンズを構えている。

「あ、陸玖……」

私の声を聞き、陸玖はにこやかにレンズを下ろした。

「怜奈さんに恵理さん! こんなところで会うなんて奇遇だね! ちょうど良いツーショットが撮れたよ!」

陸玖の顔は、満足げな笑みを浮かべていた。どうやら私たちは、彼にとって「ちょうど良い被写体」だったらしい。私たちの、ジェラートにもスタバにもありつけず、しょんぼりとした表情が、彼のファインダーにはどう映ったのだろうか。

恵理は陸玖の言葉に、みるみる顔を赤くして怒り出した。

「な、何勝手に撮ってんのよ、陸玖くん! 肖像権の侵害だよ!」

恵理の怒りはごもっともだ。私たちに断りもなく、勝手に写真を撮るなんて、いくらなんでも失礼すぎる。しかし、陸玖は恵理の剣幕に臆することもなく、涼しい顔で返した。

「えー、だって、すごく良い絵だったからさ。二人とも、仲良く歩いてて、青春って感じがしたんだよ。こうやって、お出かけしてるシーンを撮れるなんて、写真家冥利に尽きるね!」

「写真家冥利に尽きるって……! 私たちの気持ちも考えてよ!」

恵理がさらに怒鳴りつけるが、陸玖はどこ吹く風といった様子で、撮れた写真を確認している。

そして満足げに頷くや否や、

「もう、こいつぁすごいぜ!」

と自画自賛してつぶやいていた。

そんな陸玖の様子を見て、私の頭の中には、今日の占い結果が蘇っていた。


蟹座の恋愛運急騰。獅子座とは意外と相性が良く、関係性が一気に強まる可能性。


そして、先ほどの


金運は良い。無駄遣いをせず、地道に貯めるのがラッキーポイント


なんとも皮肉な運勢なんだ……。

そうか。今日のこの「無駄遣いをしなかった」結果、この最悪の巡り合わせが生まれてしまったのか。ジェラートもスタバも買えず、その代わりに陸玖に遭遇し、勝手に写真を撮られる。これこそが、私の「ラッキーポイント」だったというのか。

私は、心の中で自分の星座をものすごく恨んだ。よりによって、なぜ私と陸玖なんだ。そして、なぜよりによって、こんなタイミングで運勢が当たるんだ。空を見上げても、青空が憎たらしいぜ。このクソったれぇ!

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