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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第5章 俺、星座を占います
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俺、星座を占います6 ~金運アップ?~

恵理との占い談義で、私の気分は完全にドン底だった。陸玖と相性がいいだの、関係性が強まるだの……考えただけでゾッとする。こんな気分を吹き飛ばすには、甘いものでも食べるしかない。

「あーもう、陸玖のことは忘れよう! 恵理、気分転換に例のジェラート屋さん行かない?」

私が提案すると、恵理も「行く行く!」と元気な声で賛同した。

「あそこのバニラジェラート、ほんのりメープルの香りがするって評判だもんね! 私もずっと気になってたんだ!」

近所に新しくできたジェラートの店は、早くも「美味しい」とSNSで大評判だ。特にそのメープル香るバニラジェラートは、巷で大人気らしい。美味しいものを求めてどこへでも行くのが、女子高校生という生き物だ。前世では、こんな風に友人と甘いものを求めて彷徨うことなんてなかったな、とぼんやり考える。

「今日の部活休みで本当に良かった! ジェラートのために頑張ったもんね、私たち!」

水泳部の練習がない恵理と、体操部の練習がない私。今日の午前授業が終わってから、このジェラートを食べることを楽しみにしていたのだ。期待に胸を膨らませ、恵理と二人、スキップでもしそうな勢いで店へと向かった。

しかし、店の前に着くと、私たちは同時に固まってしまった。

「……臨時休業?」

恵理の呟きが、乾いた空気に吸い込まれていく。扉には、無情にも「臨時休業」の貼り紙が。まさか、こんな人気店が。楽しみにしていた分、その落胆は大きい。

「そんなぁ……嘘でしょ……」

途方に暮れて立ち尽くす私たち。せっかくここまで来たのに、このまま引き返すのは悔しい。何か他に甘いもの……と周りを見渡すと、少し先にスターバックスのマークが見えた。

「スタバ、行かない?」

私の提案に、恵理も力なく頷いた。今度こそ、美味しいものにありつけるだろうか。最後の望みを込めてスタバの扉を開ける。しかし、店内は人で溢れかえっていた。レジに並ぶ長蛇の列、そして空席はどこにも見当たらない。

「うそ……ここも満席じゃん……」

私たちはまたしても、肩を落として店を後にするしかなかった。今日の私たちは、何か憑いているのかもしれない。ジェラートもスタバもダメだなんて、なんて日だ。

トボトボと歩きながら、恵理がスマホを取り出して何か操作している。

「ねえ、怜奈。さっきの占いの続き、ちょっと見てみない?」

恵理の言葉に、私はうんざりしながらも、まあ、もうこれ以上悪くなることもないだろうと頷いた。

「獅子座の今日の運勢ね……えーっと、全体運はやっぱり普通だけど……」

そこまで言って、恵理がハッと息を呑んだ。そして、私の方をチラリと見てから、少し言い淀むように言葉を続けた。

「金運は……とても良いって書いてある」

金運がとても良い? 今日はジェラートもスタバも食べられなかったのに? そんな馬鹿な。私は首を傾げた。そして、恵理が読み上げた次の言葉に、私の顔はさらに青ざめた。

「続く一文にはね……『無駄遣いをすることなく、地道に貯めていくことが、ラッキーポイント』だって」

「……は?」

思わず素っ頓狂な声が出た。金運が良い? 無駄遣いをしないことがラッキーポイント? つまり今日のこの、ジェラートもスタバも食べられなかった状況が、私の金運が良いがゆえに訪れたということなのか? そんな馬鹿な!

「ちっともうれしくなーい!!」

むしろ、こんな形で運勢が当たるなんて、なんだか腹立たしかった。

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