表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第5章 俺、星座を占います
47/100

俺、星座を占います4 ~蟹座の陸玖~

ポテトチップスをかじりながら、恵理と私は星座と性格の不一致について語り合った。乙女座の私がシャカとは似ても似つかないし、双子座の恵理がサガのような二面性を持っているわけでもない。

「じゃあさ、星座と性格が一致してる人って、誰かいるのかな?」

ふと疑問に思った私がそう尋ねると、恵理は少し考えて、ポンと手を叩いた。

「もしかして、陸玖くんとか?」

陸玖? なんで陸玖が?

「え? 陸玖って、何座なの?」

「蟹座だよ」

恵理の言葉に、私は思わず噴き出しそうになった。蟹座。あの、やたらと怜奈、怜奈と私の周りをうろちょろしている陸玖が、蟹座。

「なんで蟹座と陸玖が一致してるって思うわけ?」

私が尋ねると、恵理はニヤニヤしながら答えた。

「だってさ、蟹座の黄金聖闘士ってデスマスクでしょ? 彼は教皇の悪事に加担したり、悪の心が強かったりするけど、家族や仲間を大切にする一面もあるって言われてるし……何より、一度決めたら執念深いというか、しつこいというか」

「しつこいって……」

思わず口を挟んでしまったが、恵理は気にせず続けた。

「怜奈のこと、一途に追いかけてるじゃない? その執着心っていうか、粘り強さっていうか……蟹みたいに、一度掴んだら離さない感じが、なんとなく一致してるなって」

恵理の言葉に、私はフリーズした。陸玖の、私のことになるとどこまでも食い下がってくるあの執着心。そして、彼の所属する写真部。

脳裏に、体操部の練習風景がフラッシュバックした。真剣に練習に取り組む私を、なぜか体育館の端で熱心にカメラに収めている陸玖の姿。そして、レオタード姿の私が、無防備にも彼に撮られていたという事実。

急に、背筋に冷たいものが走った。ゾワリと全身に鳥肌が立つ。あれは、単に部活風景を撮っていただけではなかったのか? もしかして、私を撮るために写真部に入ったのか? いや、まさか。そんなはずは。

「ひぇっ……」

思わず漏れた声に、恵理が不思議そうな顔で私を見る。

「どうしたの、怜奈?」

「いや、なんでもない……」

そう答えつつも、私の脳内では、体操着の私をファインダー越しに捉える陸玖の顔が、デスマスクとオーバーラップしていた。デスマスクの顔の頬骨のあたりに、うっすらと陸玖の顔が透けて見えるような、見えないような……。

「うーん、でも確かに、言われてみれば納得……かも」

幻滅しつつも、妙に腑に落ちてしまう自分がいることに、私はさらに寒気を感じた。こんなことを考えている時点で、私の中の乙女座シャカが、完全にデスマスクに蝕まれている気がする。

恵理はそんな私の様子に気づかないまま、さらに踏み込んできた。

「ねえ、怜奈ちゃ~ん、陸玖くんのこと、どう思ってるの?」

その言葉に、私はビクッと反応した。

「は!? いや、な、なに言ってんの恵理! 陸玖とは、なんの関係もないから!」

必死に否定する私を見て、恵理はニヤリと笑った。

「なーんてね! 冗談だよ、冗談!」

そう言って、恵理は腹を抱えて大爆笑し始めた。その笑い声が、私の焦りをさらに煽る。冗談なら、そんなに真剣な顔で聞かないでほしい。心臓に悪い。

まったく、恵理はからかうのが上手いんだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ