表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第5章 俺、星座を占います
45/100

俺、星座を占います2 ~乙女座のお釈迦様~

恵理との「聖闘士星矢」談義は、私たちの前世の話にまで及んだ。

「ねえねえ、怜奈って、前世の誕生日って覚えてる?」

急な質問に、一瞬戸惑う。誕生日なんて、サラリーマン時代の私はとっくに意識から消え去っていた。でも、転生した時に何となく思い出したような気がする。

「えっとね、確か……乙女座だった気がする」

私が答えた途端、恵理の顔色が変わった。驚いたように目を見開き、次の瞬間には、なぜか両手を合わせて真剣な表情で私を見つめ始めた。

「南無阿弥陀仏……南無阿弥陀仏……般若心経……」

ぶつぶつと何かを呟きながら、恵理は私に向かって拝み始めたのだ。え、何? 急にどうした恵理ちゃん。もしかして、どこかおかしくなっちゃった?

「恵理、何やってんの?」

思わず突っ込むと、恵理は拝むのをやめ、真剣な眼差しで私に訴えかけてきた。

「怜奈! 乙女座って言ったら、聖闘士星矢のシャカじゃない! あの最強の黄金聖闘士!『最も神に近い男』って言われてた、あのシャカだよ!?」

ああ、そういうことか。シャカか。確かに乙女座の黄金聖闘士はシャカだったな。そして、その強さは作中でもずば抜けていた。

「へえ、そうだったっけ?」

とぼけてみせる私に、恵理はさらに熱弁をふるう。

「そうだよ! もう、乙女座男子はみんなシャカのおかげで救われたって言われてるんだから! だって、シャカがいなかったら、乙女座男子は『潔癖症で神経質』とか『細かいことを気にする』とか、そういうイメージで括られちゃってたかもしれないんだよ! それが、シャカ様のおかげで『ストイックで強くて、悟りを開いている』っていう最高のイメージになったんだから!」

なるほど、そんな都市伝説みたいな話があるのか。前世の私も乙女座だったけど、そんなことを考えたこともなかったな。むしろ、潔癖症で神経質な方が、サラリーマンとしては働きやすかったかもしれない。

恵理はまだ興奮冷めやらぬ様子で、ごそごそと自分のリュックを漁り始めた。そして、取り出したのは、なぜか小さな袋に入ったポテトチップスと、コンビニのおにぎり。

「シャカ様、いえ、怜奈様! どうぞ、ささやかですが、お供え物でございます!」

そう言って、恵理は私にそのお供え物らしきものを差し出してきた。いや、だから何なの恵理。私はシャカじゃないし、別に崇め奉られるような存在でもないし。っていうか、お供え物がポテトチップスとおにぎりって、ちょっとどうなの。

「もう……放っとけ!」

思わずダジャレで突っ込んでしまった私に、恵理はきょとんとした顔をしている。ああ、しまった。せっかく女子高生に転生したのに、こんなおやじギャグみたいなツッコミが出てくるなんて。前世の私よ、いい加減成仏してくれ。

恵理はまだ私が差し出されたお供え物を取らないことに不満げな顔をしている。このまま放置すると、また「イカサマしてるでしょ!」みたいな膨れっ面になるんだろうな。

「……はいはい、わかったから。ありがとう」

結局、私は恵理からポテトチップスとおにぎりを受け取った。こんなお供え物をもらう乙女座女子高生なんて、きっと私くらいだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ