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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第4章 俺、先輩とお出かけします
38/100

俺、先輩とお出かけします3 ~池田屋(をめぐる口論)事件~

蒸気機関車とレトロな電車を堪能した後、私たちは公園の奥へと進んでいった。次にたどり着いたのは、京都の池田屋を模した建物だ。中は簡単な和食屋になっていて、昼間のイベントということもあってか、お酒は提供されていないようだった。前世で日本酒をこよなく愛した私としては、少しばかり残念に思う。

確か、現在の池田屋跡地には居酒屋が入っていたはずだ。スマホでちょっと調べてみようかな、なんて思いながらポケットに手を入れた、その時だった。

「だから! 坂本龍馬はここで新選組にやられたんじゃけん!」

咲良先輩の声が、店内に響き渡る。見ると、咲良先輩と麻衣子先輩が顔を突き合わせて、なにやら激しい口論を繰り広げている。

「違うわよ、咲良! あれは西郷隆盛の陰謀だったって、教科書にも載ってるじゃない!」

麻衣子先輩も負けじと反論する。どうやら、誰が坂本龍馬を暗殺したのかで揉めているらしい。咲良先輩は「池田屋で新選組に暗殺された」と主張し、麻衣子先輩は「西郷隆盛の陰謀だ」と譲らない。二人の口論は、次第にヒートアップしていく。周りの客もちらちらとこちらを見ていて、さすがに気まずい。

「まあまあ、二人とも……」

私がフォローを入れようとした瞬間、二人の視線が私に突き刺さった。

「怜奈はどっちが正しいと思うん!?」

「そうよ、怜奈! 歴史が得意だったわよね!?」

え、私? 急に振られて動揺する。歴史は得意科目ではなかったが、前世の知識で多少は知っているつもりだ。

「えっと、坂本龍馬が暗殺されたのは、『近江屋事件』ですよ。ここ池田屋で起きたのは、『池田屋事件』で、新選組が攘夷派の志士たちを襲撃した事件です。坂本龍馬は関係ないですよ」

そう説明すると、咲良先輩と麻衣子先輩は、みるみるうちに顔を真っ赤にした。二人の間に、気まずい沈黙が流れる。どうやら、勘違いしていたことに気づいたらしい。

「あ、あはは……じゃあ、別の場所に行きません? えっと、そこの弓道体験とかどうですか!」

私は慌てて、近くにあった弓道体験の看板を指差した。二人はまだ顔を赤くしているが、何も言わずに頷いた。これで場が収まってくれてよかった……。

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