表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第4章 俺、先輩とお出かけします
37/100

俺、先輩とお出かけします2 ~先輩と路面電車~

翌週の休日、咲良先輩からのお誘いで、私と麻衣子先輩の三人で総合公園へ行くことになった。部活の仲間とプライベートで出かけるのは初めてで、なんだか遠足に行く小学生みたいにワクワクする。

総合公園に着くと、そこはまるでタイムスリップしたかのようだった。幕末と明治をテーマにしたイベントが開催されており、江戸時代の長屋や明治時代の洋館を模した建物がずらりと並んでいる。リアルな街並みに、思わず感嘆の声が漏れた。

奥の方に進んでいくと、本格的な線路が敷かれ、そこを初期の蒸気機関車がゆっくりと往復しているのが見えた。漆黒の車体から白い蒸気を吐き出しながら、ゴトゴトと力強い音を立てて走る姿は圧巻だ。

「す、すげぇ……!」

思わず、心の声が漏れてしまった。こんなに間近で動いている蒸気機関車を見るのは、本当に久しぶりだ。大学生の頃、友人と旅行に行った時に、本物の蒸気機関車に乗ったことを思い出す。あの時の感動が、今、目の前で再現されているようだ。

「大学生の頃、蒸気機関車に乗ったこともあるんですよ!」

興奮のあまり、前世の記憶をうっかり口走ってしまった。「しまった」と焦った時にはもう遅い。麻衣子先輩が「えっ?」と、目を丸くして私を見ている。

「あ、いや、えっと、その…テレビで見たことあるって意味で!」

しどろもどろになりながら、慌てて訂正する。麻衣子先輩は半信半疑といった表情だったが、それ以上は何も言わなかった。セーフ、なのか?


蒸気機関車の展示の隣には、さらに目を引くものが。日本で初めて走ったという、レトロなデザインの電車が展示されていたのだ。咲良先輩は、その電車の前で目を輝かせている。

「わぁ! これ、懐かしいわぁ!」

咲良先輩の言葉に、私も麻衣子先輩も首を傾げた。そんなに古い電車を、咲良先輩が知っているなんて。

「これ、小学生の時、広島の路面電車のイベントで走っとったんよ! 一回だけ乗ったことあるんじゃけど、まさかここで会えるなんて!」

そういえば、咲良先輩は広島の出身だった。イベントとはいえ、広島でも走ったことがあったなんて知らなかったな。

デッキ部分なら乗れるようになっているらしく、咲良先輩は嬉しそうに電車に近づいていく。その姿を見て、私はたまらずスマホを構えた。こんな無邪気な咲良先輩の姿、ぜひ写真に収めておきたい。

咲良先輩は、満面の笑顔を振りまきながら電車のデッキに乗り込んだ。麻衣子先輩も「私も撮る!」とスマホを取り出し、二人で夢中になってシャッターを切る。写真に写った咲良先輩は、普段の元気な体操部員とはまた違った、どこかあどけない表情をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ