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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第3章 俺、部活はじめます
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俺、部活はじめます8 ~盗撮犯は誰だ?~

練習が終わり、疲れた体をひきずるように更衣室へ入った。今日の陸玖というヤツの一件で、なんだかもやもやする。里亜先輩の件と、盗撮。まさか、本当にあいつが犯人だったのか?

ロッカーを開けて、レオタードを脱ぎ始めようとした、その時だった。ロッカーの奥、体操服の陰に隠れるように、小さな黒いレンズがこちらを向いているのが見えた。小型カメラだ。心臓がドクンと大きく跳ねる。まさか、こんなところに!

カバンの中を漁ると、たまたま持ってきていたハサミが見つかった。震える手でそれを取り出し、迷わずカメラに繋がっていた有線ケーブルを、ジョキンと切り落とした。これで、もう二度とこんなものに怯えることはない。


着替えを終え、更衣室から出た瞬間、俺は陸玖と鉢合わせしてしまった。陸玖は先ほどのように、ニヤニヤとした笑顔を浮かべている。このときは、立派そうな一眼レフカメラを持っていなかった。

「あんた、まさか、このカメラで盗撮しようとしたの!?」

俺は怒りに任せて、ロッカーで見つけた小型カメラのことを問いただそうとした。だが、陸玖は目を丸くして、すぐに首を横に振った。

「え、なんのことですか? 全く知りませんよ!」

陸玖は本当に何も知らないといった様子で、心底驚いている。

「ていうか、怜奈さんこそ、更衣室から出てくるなんて思ってもみませんでしたよ。いつもはもっと早い時間に着替えるじゃないですか」

「あれは部活に入りたての時だったから!」

とっさにそう反論したが、しかし陸玖の言葉に、俺はさらに混乱した。まさか、本当に陸玖のやつが犯人ではないというのか? 俺はロッカーに隠されていたカメラのこと、そして里亜先輩が盗撮被害に遭って以来、練習中に異常な声を上げてしまうこと、そして恵理も盗撮の被害に遭いかけたことなど、今日までの出来事を陸玖に説明した。陸玖は、俺の話を真剣に聞いているけれど、やはり何も知らないようだった。彼の表情から、それは明らかだった。

「そんなことが……。いや、僕じゃありませんよ、絶対に!」

陸玖はそう言って、慌てて写真を取り出し、俺に見せてきた。

「見てくださいよ、僕が撮りたいのはこういう写真なんです!」

そこに写っていたのは、私が恵理と楽しそうに登校している様子、教室で一人集中して自習している姿、そして、なぜかベランダで黄昏れているシュールな一枚など、数十枚にも及ぶ私の日常を捉えた写真だった。中には、私が前後開脚の練習をしていて思わず悲鳴を上げてしまった瞬間や、咲良先輩とダンスの練習をしている時の様子、さらには屋上でふざけてハリケーンアッパーやソニックブームを繰り出している様子など、俺にとって恥ずかしい写真まで収められていた。

たしかに、これらは俺の写真だ。だが、不思議なことに、里亜先輩の写真はどこにも見当たらなかった。俺は再三、陸玖に尋ねてみた。

「本当に、里亜先輩を盗撮したことはないの?」

陸玖は何度も首を横に振り、強い口調で答えた。

「ないですよ! 僕が興味あるのは怜奈さんだけですもん!」

しれっと言いやがって……。だが、その言葉に、俺は陸玖の盗撮が私の写真に特化していることを確信した。そして、同時に、体操部の盗撮犯は、陸玖とは別の、第三者の犯行であることを強く確信したのだった。俺の周りには、いったい何人の盗撮犯がいるというのだろう? そして、里亜先輩を苦しめている真犯人は、一体誰なんだ……?

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