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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第3章 俺、部活はじめます
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俺、部活はじめます6 ~先輩の苦しみと涙~

翌日の体操部の練習、里亜先輩は壁の隅っこに立って、ただ俺たちの練習を見学しているだけだった。その表情は、どこか晴れない曇り空のようで、痛々しいほどだ。昨日の一件以来、彼女はすっかり自信を失ってしまったようだった。

休憩時間になると、俺は里亜先輩に恐る恐る話しかけた。

「怜奈さん……昨日は、ごめんね。変なものを見せちゃって」

申し訳なさそうな顔をする里亜先輩に、俺は首を横に振る。

「いえ、とんでもないです! 里亜先輩こそ、大丈夫ですか?」

里亜先輩はうつむき加減で、小さな声でつぶやいた。

「怜奈さんは、すごいね。いつも練習にすごく集中してるように見える」

俺の集中力? 里亜先輩の言葉に、俺は少し驚いた。確かに、俺は一度興味を持ったり、集中し始めると周りが見えなくなる癖がある。それは、俺に転生される前の怜奈も同じだったようで、この学校の理事長を兼ねているマンションの管理人から「怜奈ちゃんは集中するとすごいわね」と感心されたことを思い出した。数学が得意なのも、格闘ゲームに熱中できるのも、その集中力のおかげなのかもしれない。

里亜先輩は、さらに言葉を続けた。

「私ね、この間、平均台の練習をしてた時に、誰かに盗撮されてるって気が散っちゃって……それで、着地に失敗して、おしりを強く打っちゃったんだ」

その瞬間、私は恵理の言葉を思い出した。里亜先輩のあの奇妙な症状は、盗撮被害が原因だったんだ。まさか、そんな卑劣な手口で、里亜先輩が心身ともに傷つけられていたなんて。

「それから、なんだか調子がおかしくなっちゃって……。練習中に誰かに見られてるんじゃないかって、いつも気になっちゃうの。集中しようとしても、体が硬くなっちゃって、変な声が出ちゃうし……」

里亜先輩の声は震え、瞳にはみるみるうちに涙が溜まっていった。

「怜奈さんみたいに、集中できたら……」

そう言って、怜奈先輩はとうとう顔を覆って泣き出してしまった。彼女の悔しさと、どうしようもない苦しさが、俺にも痛いほど伝わってくる。これは、単なる「いくいく病」なんかじゃない。卑劣な盗撮犯のせいで、里亜先輩は心の傷を負ってしまったんだ。

俺は、この状況をどうにかしなければならない、と強く思った。

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