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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第2章 俺、ショッピングに行ってきます
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はじめてのショッピング4 ~過去と未来の参考書~

プリンパフェを堪能した私たちは、そのまま駅ビルをぶらつくことにした。怜奈はペンギンのぬいぐるみを抱きしめたまま、なんだかご機嫌だ。可愛い服を着て美味しいものを食べたら、さすがの怜奈も気分が上がったみたい。

「恵理、そろそろ帰ろっかな……」

怜奈がちらりと私を見てそう言ったので、私は笑顔で返した。

「えー、まだ早いよ! せっかくだから、もう少し付き合ってよ!」

「じゃあ、今度は私の行きたいところに付き合ってくれる?」

そういうと、怜奈は私の手を引いて、あるところへ向かった。まさか、ゲーセン? でも、ゲーセンのある方向とは全然違う。なんだか嫌な予感がする。そう思いながら、怜奈に言われるがままについていったその先は、大きな書店だった。


「ここに来て何するのよ……」

私はぶつぶつつぶやきながら、怜奈に付いていくと、参考書コーナーだった。

「せっかく転生したんだから、将来のことも考えないとね。ほら、この問題集なんか、結構評判なんだよ」

 怜奈が取り出した問題集は、大学受験の参考書の中でもハイレベルな内容のものだった。怜奈は、問題集のページを開くと、夢中になっていた。私もその問題集を見てみると、確かに難しそうだった。でも、なぜだか頭の中にスーッと入ってきて、同じように真剣な顔で集中している自分に気が付いた。そんな私たちって、やっぱり普通じゃないよな。改めてそう思った。

「俺、しがないサラリーマンだったけど……数学は得意だったんだよ。大学も、数学科を卒業したんだ」

怜奈は当たり前のようにそう言った。数学科の大学卒……なんだか怜奈らしい。

「へぇー、数学科かぁ……。私、大学行けなかったんだよね」

ぽつりと、自分の前世の記憶を怜奈に打ち明けた。普段はあまり話さない、少し重い話だ。

「うちの親さ、昔からある宗教にめちゃくちゃ夢中だったんだ。それで、高価な壺とか曼荼羅とか、色々買わされちゃってさ。気づいたら、大学に行くお金、全部無くなっちゃったんだよね。だから、仕方なく一般企業に就職したんだ」

話していると、当時の悔しさが込み上げてくる。大学に行きたかった。もっと勉強して、色々なことを知りたかった。

怜奈は黙って私の話を聞いていたけれど、すぐに優しい声で言ってくれた。

「そっか……。でもさ、恵理。せっかく転生したんだから、もう一度頑張ってみようよ」

怜奈の言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなった。そうだよね。前世では叶わなかったことも、今ならできるかもしれない。怜奈のまっすぐな言葉が、私に勇気をくれた。

「うん……! ありがとう、怜奈!」

私は満面の笑みで怜奈を見上げた。こんな風に、本気で応援してくれる人がいるって、すごく嬉しい。前世では、誰にも言えなかったことだから。

私が感動に浸っていると、怜奈はすぐに現実的な顔に戻って、隣の棚から何冊かの参考書や問題集を引っ張り出してきた。

「よっしゃ、じゃあこの機会に、恵理もちゃんと勉強し直すぞ。この参考書と問題集、評判良いから、これをやろう」

怜奈は次々と私に参考書を押し付けてくる。ちょっと感動的な雰囲気だったのに、怜奈は相変わらずだ。でも、そんな怜奈の不器用な優しさが、今の私にはとてもありがたかった。私の新しい大学生活(まだ始まってないけど)、怜奈がいてくれたら、きっと楽しいものになるだろう。

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