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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第1章 俺、いじめを成敗します
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いじめ事件15 ~怜奈のイメチェン~

ここでは、恵理視点で物語が進みます。

数日後、学校へ向かって歩いていると、後ろから声をかけられた。

「恵理!」

振り返った私は、一瞬誰だかわからなかった。そこに立っていたのは、新品の制服に身を包み、真新しいカバンを肩にかけた、まるで別人になったかのような怜奈だった。髪は以前のセミロングから茶色のボブカットに変わっていて、新しい眼鏡をかけている。そして、以前アザだらけだった足を隠すように、黒のタイツを履いていた。

「え、怜奈…!?」

私が呆然としていると、怜奈は照れたように笑った。

「どうせ新品になるなら、思い切ってイメチェンしてみたんだ。気分も変わるしね」

その表情は、以前の怜奈からは想像できないほど明るかった。いじめの過去を断ち切るかのような、彼女の決意が感じられた。

怜奈のイメチェン話を聞きながら、私たちは学校へ向かった。道中、田岸たちのその後についても話した。

田岸は、母親と一緒に引っ越して、近くのFランク高校に転校していったらしい。理事長の厳しい処分と、父親の転落が、彼女のプライドを完全に打ち砕いたのだろう。

そして、田岸の父親は、案の定、逮捕された。連日のニュースやワイドショーでは、彼のインサイダー取引や裏社会とのつながりが、連日ネタにされている。かつては雲の上の存在だった田岸義信が、あっけなく転落していく様は、まさに自業自得という他ない。

怜奈は、新しいスマホを取り出して見せてきた。それを見た私は、思わず声を上げた。

「こ、これは、AQOON SR8 HiPro! これ、今話題のハイスペックモデルじゃないの!?」

理事長が弁償してくれたらしいが、まさかここまで高価なものだとは。怜奈は、嬉しそうな顔をしながらも、どこか複雑な表情をしていた。

「嬉しいんだけどさ、こんなことにならなきゃ、こんな高価なもの手に入らなかったわけだし…なんか、複雑な気持ちだよ」

怜奈の言葉に、私は少しだけ胸が締め付けられた。彼女は、いじめや転生という壮絶な経験を通して、本当に大切なものが何かを理解しようとしている。

学校に着く頃には、怜奈との距離がぐっと縮まったような気がした。私は、これからのことを見据えて、怜奈に声をかけた。

「ねえ、怜奈。せっかくだし、LINE交換しない?」

怜奈は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔で頷いた。

私たちは、転生者同士。この新しい世界で、共に歩んでいく仲間だ。怜奈の新しい人生が、ここから本格的に始まる。

俺、いじめを成敗します 終

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