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俺、女子高生になりました  作者: アガッタ
第1章 俺、いじめを成敗します
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いじめ事件9 ~不気味な静寂~

恵理とタッグを組むことを決めてから、俺の周りは奇妙なほど静かになった。あれ以来、田岸ら3人組が俺に絡んでくることは一切ない。教室や廊下で彼女たちを見かけても、まるで俺の存在が見えていないかのように、完全に無視されるようになった。

「変だな……」

俺は恵理に尋ねた。怜奈を自殺未遂に追い込むほど執拗だった田岸が、俺からの反撃を受けて、何もしないわけがない。

恵理は、腕を組みながら冷静に分析した。

「田岸は、お前のことを完全に侮辱している。あいつらにとって、お前は自分たちの支配下にある、言うことを聞く奴隷だったはずだ。それが突然反抗してきて、田岸のプライドはズタズタにされたのだろう。」

だからこそ、田岸はすぐにでも報復に出るはずなのに、なぜ動かないのか。

「あと、実は、興味深い情報があってね。」

恵理は、田岸の家庭環境について詳しく調べていた。そして、さらに驚くべき事実を俺に教えてくれた。

「田岸には、祖母がいるらしい。そして、その祖母も、親父さんと同じくらい、いや、それ以上に大物だと言われている」

聞くところによると、田岸の祖母は、この地域一帯に莫大な土地を所有する、有名な大地主だという。田岸の父親が経済界の裏で暗躍する存在なら、祖母は地域社会の表で絶大な権力を持っているようだ。

恵理は続けた。

「田岸の行動パターンを考えれば、あいつはすでに、私たちとの屋上での件を親父さんとおばあちゃんに報告しているはず。普通なら、すでに何らかの報復が始まっていてもおかしくない。」

しかし、俺たちの周りには、何も起こっていない。不気味な静けさが続いている。これは、嵐の前の静けさなのか、それとも、もっと恐ろしい計画が水面下で進行しているのか。

恵理は、用心して行動するようにと忠告した。俺たちは、田岸の父と祖母という、想像を絶する巨大な権力と戦うことになるかもしれない。

「奴らが何もしてこないのは、単に準備が整っていないだけかもしれない。あるいは、俺たちの動きを観察している可能性もある」

俺は、田岸の復讐だけでなく、怜奈を追い詰めたこの世界に対しても、戦う覚悟を決めた。

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